駅までの道をおしえての紹介:2019年日本映画。伊集院静の同名短編小説を、数々の話題作をプロデュースしてきた橋本直樹が監督・脚色を務めて映画化したヒューマンドラマです。主演を『君の名は。』『天気の子』の新海誠監督の娘であり音楽ユニット「Foorin」のメンバーでもある新津ちせが務め、愛犬を亡くした少女と息子を失った老人との心の交流が描かれます。
監督:橋本直樹 出演者:新津ちせ(サヤカ)、笈田ヨシ(フセコウタロー)、坂井真紀(サヤカの母)、滝藤賢一(サヤカの父)、羽田美智子(サヤカの伯母)、マキタスポーツ(サヤカの伯父)、市毛良枝(サヤカの祖母)、塩見三省(サヤカの祖父)、余貴美子(看護師長)、柄本明(動物病院院長)、有村架純(10年後のサヤカ(モノローグ))ほか
映画「駅までの道をおしえて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「駅までの道をおしえて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
駅までの道をおしえての予告編 動画
映画「駅までの道をおしえて」解説
この解説記事には映画「駅までの道をおしえて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
駅までの道をおしえてのネタバレあらすじ:起
ここは赤い電車が走る湾岸の街。この街の小学校に通う8歳の少女・サヤカ(新津ちせ)は、父(滝藤賢一)と母(坂井真紀)と共に暮らしていました。
サヤカは、臨海学校に出かけていた数日の間に、いつも一緒に過ごしていたはずの愛犬ルーが突然いなくなってしまった事実を未だに受け入れることができず、いつか戻ってくることを信じながら、一人寂しくルーと歩んだいつもの散歩コースを通る日々を過ごしていました。
サヤカとルーとの出会いは今から1年ほど前のことでした。当時のサヤカは学校生活に馴染めず、孤独な日々を送っていたところ、たまたま通りがかったペットショップで1匹の犬と出会いました。その犬、ルーは一度は別の飼い主に買われていましたが、その飼い主の事情により再びこのペットショップへ戻されていたのです。
サヤカはルーを飼ってもらえるよう必死になって両親を説得しましたが、両親は犬は人間よりも寿命が短く、いつの日か必ず別れの日が訪れると覚悟を説きました。それでもサヤカは“先に別れること”を受け入れました。
駅までの道をおしえてのネタバレあらすじ:承
サヤカ一家が住んでいるマンションはペット飼育禁止の物件であり、ルーはマンションのすぐ近所に住む伯父(マキタスポーツ)の家の庭に犬小屋を建ててそこで育てることになりました。それからというもの、サヤカは毎日伯父の家に通っては朝晩の餌やりと毎日の散歩を欠かすことなくこなしていきました。
そんなある日、サヤカと一緒に散歩していたルーはいつものコースから逸れて別のルートへ行き、壁を越えてその内側へと進んでいきました。サヤカはルーの後を追ってみると、そこは見渡す限り広がる原っぱがありました。この原っぱの存在はサヤカとルーだけの秘密にしておくことにしました。
やがてルーはおもむろに原っぱの地面を掘り始めました。サヤカも一緒に地面を掘ってみたところ、地中から現れたのは二つの鉄の棒でした。この時、サヤカはそれが古い線路の跡であることにはまだ気がついていませんでした。
やがてサヤカの街にも夏が訪れ、学校も夏休みに入りました。サヤカは休みの間はルーとこれまで以上に一緒にいられると考えていましたが、ルーを置いて臨海学校に行くことになりました。ところが、サヤカが数日間不在にしている間に、ルーは突然体調不良を起こしてそのまま息を引き取ってしまいました。
駅までの道をおしえてのネタバレあらすじ:転
臨海学校から戻ってきたサヤカは、まさかの事態に強いショック受けてしまいます。両親からも言われたように、ルーが自分より先に寿命を終えることは頭では理解していたつもりでしたが、まさか出会ってからわずか1年ほどで突然のお別れがやってくるとは想像だにしていなかったのです。
ルーとの想い出を噛みしめるかのように、ルーが生きた証を確かめるかのようにルーと一緒に歩いた思い出の散歩コースを歩いていたサヤカは、古いジャズ喫茶店のマスターをしている孤独な老人フセコウタロー(笈田ヨシ)と彼の愛犬であるルース(ミノルカ)と出会いました。
犬種は全く異なるはずなのに、“ルー”と“ルース”と名前の響きがよく似通っていることから、ルースにルーの面影を重ねたサヤカはこれを機にフセと親しくなり、フセのジャズ喫茶に足しげく通うようになりました。
フセは数十年前に幼くしてこの世を去った息子・コウイチロー(佐藤優太郎)の死を未だに引きずっており、年齢こそ大きくかけ離れてはいるものの、互いに大切な存在を失ったという境遇が似通っているサヤカとフセは次第に心を通わせ合うようになりました。
駅までの道をおしえての結末
ある週末の日、サヤカとフセへ、フセの思い出の場所である逗子の海へ一緒に出かけました。優しく暖かな日差しの中でついうたた寝してしまったサヤカは、コウイチローがルーを連れている夢を見ました。
その翌日、サヤカはいつものように喫茶店へと向かいましたが、そこにフセの姿はありませんでした。実はフセは重い病を患っており、入院している喫茶店近くの病院を抜け出してサヤカと会っていたのです。そのことを知ったサヤカは病院でフセに会いますが、それから間もなくしてフセは亡くなってしまいました。
フセが最期に発した「駅に行く」という言葉に、サヤカはかつてルーとの想い出の場所である秘密の原っぱにある線路の跡へと向かいました。すると、この線路に駅のプラットホームが出現、赤い電車が入ってきました。
サヤカがいるホームの反対側にはフセの姿があり、フセは赤い電車へと乗り込んでいきました。電車の車内にはルーとコウイチローの姿もありました。赤い電車は走り去って行き、原っぱにはただ一人サヤカだけが残されました。すると、サヤカの元にフセとの出会いをくれたルースが駆け寄ってきてくれました。
以上、映画「駅までの道をおしえて」のあらすじと結末でした。
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