告白の紹介:2010年日本映画。湊かなえの同名ベストセラー小説を映画化したものです。愛娘を自分のクラスの生徒に殺された女性中学教師が、生徒たちを相手にその真相を告白、追究し、復讐するというミステリー学園映画です。キャッチコピーは「告白が、あなたの命につきささる。」で、その内容と描写には、少年犯罪、イジメ、家庭内暴力などの過激な部分があります。しかし、現代社会が抱える学校教育での問題点などを考えさせるシリアスな内容で、第34回日本アカデミー賞では4冠を受賞、他にも多数の映画賞を受賞した作品です。
監督:中島哲也 出演:松たか子(森口悠子)、木村佳乃(下村優子(直樹の母))、岡田将生(寺田良輝(ウェルテル))、西井幸人(渡辺修哉)、藤原薫(下村直樹)、橋本愛(北原美月)ほか
映画「告白」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「告白」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「告白」解説
この解説記事には映画「告白」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
告白のネタバレあらすじ:起
終業式の教室。「娘の愛美はこのクラスの生徒に殺されました。」1年森口B組の担任教師、森口悠子のセリフで映画は始まります。最初は真面目に聞いていなかった生徒も、次第に森口の告白に聞き入ります。静まり返った教室で森口が延々と語っていくシーンは、娘を殺された人間の狂気を上手く表現していると思います。
告白のネタバレあらすじ:承
森口は少年Aと少年Bと呼び、決して犯人の名前を口にはしませんでした。そこから犯人である少年たちへの復讐が始まっていたのです。少年法で守られている彼ら二人を裁くために、森口は牛乳に血液を混ぜるという行動に移りました。この血液は、エイズで亡くなった夫から採取したものです。エイズを発症するまでには何年もかかります。また、発症するかどうかはその時まで分かりません。人を殺したことを償うには充分に時間があります。そう言い残し、森口は教師を辞め教室を去っていきました。
告白のネタバレあらすじ:転
結果的に、これは森口の嘘で血液は混ぜられていませんでした。しかし、少年Aと少年Bは酷く混乱します。一人は登校拒否に、もう一人はいじめられることになります。そして始業式。森口の後にやってきた新任教師は、熱意はあるがどこか空回りしています。生徒から馬鹿にされ、なかなか打ち解けることができません。一なぜ生徒が登校拒否といじめにあっているのか理解していません。森口に相談してクラスを良くしていこうとするが、逆に森口の復讐のために利用されてしまいます。
告白の結末
愛美が殺されたのは、世間から注目されたいという少年の思いから起こりました。大きな事件を起こせば、自分を捨てた母親にもう一度振り向いてくれると考えたのです。そして学校の体育館に爆弾を仕掛けました。しかし先読みした森口によって、爆弾は少年の母親の職場に仕掛け直されます。そして爆弾が爆発し、森口の復讐は終わりました。
以上、告白のあらすじと結末でした。
続いて、より詳細なネタバレあらすじを解説します。
「告白」感想・レビュー
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この映画、法で守られる少年がムカついてきます。子供を殺された教師が自分の子供を殺した少年たちをジワジワ追い詰めていくシーンに共感してしまう自分がいました。そもそも少年だからといって法で守られる必要があるのか、そんなよくあるテーマを考えさせられる映画です。
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小説も読みましたが、映画では小説で書かれたグロテスクな印象がそのまま表現されている感じでした。思わず、松たか子さんの演技にはゾッとしてしまいますし、子役の演技も凄すぎる!夢に出そうな怖さでしたが、また見たいです。
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原作も映画も見ました。命の尊さを復讐として学ばそうとしたのかな?
いくら子どもでも許されないこともありそれを痛みで分からせようとした作品だと感じました。グロさが引き立ちますが当時まだ10代の役者たちの演技力にもゾッとしました。教師が松たか子さんだからこそこの作品のミステリアスな部分が生きているのだと思います。 -
少年法とは何かを考えさせられる社会性のある映画でした。子どもを殺された母親の怒り、悲しみ。犯罪を犯してしまった生徒たちの心の闇が切ないほど伝わります。人を殺めることはいかなる理由であれ許されることではないのですが、生徒たちの生い立ちや境遇に心を痛めました。
教え子に自分の大切な娘の生命を奪われた教師の、壮絶な復讐劇に惹き込まれていきました。松たか子が演じている主人公の森口悠子の、全編を通しての無表情・冷血ぶりには鬼気迫るものがありました。教室内で生徒たちに亡き夫の血液を混ぜた牛乳を飲ませてしまうシーンには、あまりにもグロテスクで苦しくなってしまいました。