ミュージアムの紹介:2016年日本映画。スリラー漫画「ミュージアム」の実写化映画。ある雨の日、犬に食い殺されるという猟奇的殺人事件が発生する。捜査を担当する刑事の沢村はその現場を見て驚愕する。しかし事件はそれだけでは終わらなかった。最初の事件から数日後別の場所で殺人事件が発生する。二つの事件の鍵となるのはそれぞれの現場で見つかった紙と被害者の接点。その後見つかった事実から沢村の妻遥の身に危険が迫っていることが分かった。
監督:大友啓史 出演:小栗旬(沢村久志)、尾野真千子(沢村遥)、野村周平(西野純一)、丸山智己(菅原剛)、田畑智子(秋山佳代)、松重豊(関端浩三)、妻夫木聡(カエル男)、ほか
映画「ミュージアム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミュージアム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ミュージアムの予告編 動画
映画「ミュージアム」解説
この解説記事には映画「ミュージアム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミュージアムのネタバレあらすじ:1.刑
自宅で寝ていた沢村(小栗旬)の元に一本の電話が入る。事件発生の電話だった。すぐに現場へと向かうとそこでは彼の部下・西野(野村周平)が豪雨に打たれながら嘔吐を繰り返していた。現場では一匹の犬が捕まっていた。どうやら今回の事件の凶器となるらしい。そして現場では先ほどの犬に食い殺され見るも無残な姿になった被害者がいた。すぐに被害者の身元が調べられ現場にいた犬も検査を受けた。その結果、犬の体内から一枚の紙きれが発見された。血にまみれたその紙には「ドッグフードの刑」と書かれていた。それが何を意味するのか沢村には分からなかったがその後の調べで被害者の身元が判明。被害者は20代の女性で生前、犬を飼っていたという。しかしすぐに犯人が見つかることもなく捜査は続く。そしてその事件から数日後別の場所でまた殺人事件が発生した。
ミュージアムのネタバレあらすじ:2.接点
見つかったのは肉をそぎ落とされた男の死体。椅子にテープでくくりつけられ近くに計りが置いてあった。計りの中には男のそぎ落とされた肉と思われるものが入っている。さらに現場から刑の名が記された一枚の紙が発見される。それは先日見つかった紙と同じものだった。警察はすぐに最初の事件の被害者と今回の被害者の接点を捜査、すると出てきたのはある裁判の記録だった。二人の被害者はある裁判で陪審員として判決を下した。それはかつて世間を賑わせた猟奇殺人「少女樹脂詰め殺人事件」だった。その接点を見つけ捜査に力が入る警察とは裏腹に沢村は青ざめていく。彼の妻・遥(尾野真千子)もまたその裁判で陪審員を務めていたのだ。すぐに遥に連絡を取るも繋がらない。遥は数日前、家庭を顧みない沢村に嫌気がさし息子を連れて家を出ていた。
ミュージアムのネタバレあらすじ:3.連続殺人
妻の安否を祈る沢村、一方犯人の殺人は止まることを知らなかった。例の裁判で陪審員を務めた人間を保護対象にいれ捜査に乗り出すも警察が赴いた頃には既に殺人は行われた後だった。その結果、最初の二人を含む計5人が刑の名のもとに殺されてしまった。そしてたまたまその殺人犯と思われる男と対峙した沢村は彼の手によりケガを負ってしまう。それは妻遥の行方を知った時、同時に遥を彼に連れ去られてしまった時であった。妻子を奪われケガを負った沢村はある日部下西野を呼び出した。そしてまだ捜査に大した進展が無い事を知る。西野が用意した捜査資料を読みながら犯人の動機を探る沢村。そこで思いついたのは男の犯行が怨恨によるものではないのかもしれない、ということだった。例の裁判では一人の男が有罪、死刑になった。そしてその後留置所で首を吊って自殺した。当初その男の恨みを晴らす犯行だと思っていたがそれは間違いなのか。
ミュージアムのネタバレあらすじ:4.逃走
頭を抱える沢村の目の前にカエルの被り物を被った男が現れる。それこそが事件の犯人、自ら沢村の前に現れたのだ。雨の中店の外に出てカエル男の後を追う沢村。しかし道路に飛び出した所で車にはねられてしまう。幸い大事には至らなかったがすぐには走れない、カエル男の後を追うのを西野に任せた。沢村が動けるようになった頃には二人はビルの屋上にいた。そこで沢村が目にしたものは手に銃を持ち今にも西野を突き落とそうとするカエル男の姿だった。そして男は沢村の説得には応じず西野を突き落としてしまった。西野は死に沢村は上司に呼び出され車に乗り込んだ。しかし沢村は怒りに身をまかせ車から飛び降りた。その後沢村は重要参考人とされ捜査の一環として追われることになる。
ミュージアムのネタバレあらすじ:5.屋敷
沢村は単独で男の行方を追っていた。そしてこれまでの男との対峙を思い返しある事実に辿り着く。雨の日の出没、先日太陽が射した時の首のかきむしり。光に対するアレルギーかもしれない。それを突き止めた沢村は町にある病院を一つずつ周る。そしてある病院の女医に辿り着いた。そこで彼は橘と名乗る女医(市川実日子)に銃を突きつけ特徴に当てはまる男の存在を問いただした。橘は一人の男の存在を沢村に教えた。教えられた場所へと急行した沢村はある一軒の屋敷に辿り着く。その家に潜り込み地下へと向かう。そここそが男の住処だった。そこで沢村が目にしたのはこれまでの被害者の写真や模型、そしてモニターに映る自身の家の様子だった。沢村は監視されていたのだ。その時彼は突然背後から襲われてしまう。
ミュージアムのネタバレあらすじ:6.監禁
目を覚ますと沢村は狭いコンクリートで囲まれた部屋にいた。そこには二体のマネキンがあり、まるで妻と息子のようだった。小さい方のマネキンの手には一つの箱が、中にはジグソーパズルが入っている。部屋のドアは頑丈で開かない、さらにロックが掛けられている。パスワードを入れれば開く仕組みのようだ。時折落とされるハンバーガーとコーラを流し込み沢村はパズルの完成を目指した。現れたのは3つのアルファベット、「E,A,T」パスワードの解読と同時に沢村の頭に嫌な考えが浮かぶ。部屋には肉のはみ出したハンバーガーが転がっていた。泣きながら部屋を出るとそこに一つの冷蔵庫があった。妻と息子の写真が貼られている。恐る恐る開けると中には寄り添うように二人の切断された頭が押し込まれていた。
ミュージアムのネタバレあらすじ:7.逮捕
叫ぶ沢村の前にカエルのフードをかぶった男が現れた。逃げ出す男に沢村は怒りに頭がいっぱいになり「殺してやる」と連呼しながら追いかける。長い追いかけっこの末、廊下の真ん中で立ち止まる男を発見、彼に銃を突きつける。しかしそれは死んだと思っていた妻の遥だった。側に駆け寄り抱きしめる沢村、その背後で本物の男が現れる。フードはかぶっていない男、頭は坊主でアザだらけの醜い姿だった。男は息子を人質に取り沢村に妻を撃ち殺すよう言う。遥もまた息子のためと自身に銃を突きつけさせる。そこに男を追っていた警察が現れた。男はその場から逃走、しかし既に家の周りは警察に包囲されていた。さらに勢いで表に飛び出した男に太陽の光が襲いかかる。男の顔はみるみる腫れあがりとうとうその場に倒れ気を失ってしまった。
ミュージアムの結末
事件から数か月後、3人は平穏な日々を取り戻そうと努力していた。犯人の男はある病院の女医、橘(彼の身内の人間)の手により殺されようとしていた。ある晴れた日、沢村の息子の運動会当日だった。二人は息子の晴れ姿をカメラに収めるのに必死、そこにいたのはまるで理想の夫婦とでも言うかのような二人の姿だった。そしてそのカメラに映るのは自身の出番を終え安堵の中、首をかきむしる息子の姿だった。
以上、映画ミュージアムのネタバレあらすじと結末でした。
『週刊ヤングマガジン』に連載された漫画が原作のサスペンス&ホラー映画です。カエルの仮面をかぶって雨の日にだけ現れる奇妙な連続猟奇殺人犯を、妻夫木聡さんが熱演しています。事件を追う刑事は小栗旬さん。この二人の対決が見どころとなっています。とにかく妻夫木聡さんの演技が狂気的。グロテスクなシーンは多いですが、ストーリーはしっかりとしていて、ただ怖いだけのスプラッタ映画ではないところが面白かったです。