すずめの戸締まりの紹介:2022年日本映画。今や国民的アニメ映画監督となった新海誠。3年ぶりの新作『すずめの戸締まり』は、東日本大震災で母親を失ったひとりの少女が、さまざまな人との出会いを通して成長していく喪失と再生の物語。主人公のすずめを演じるのはオーディションで1,700人の中から選ばれた原菜乃華。古来から受け継がれる“閉じ師”の青年をSixTONESの松村北斗が演じ、ふたりとも声優初挑戦とは思えないと評判になっている。主題歌は前々作、前作に引き続きRADWIMPS。
原作・脚本・監督:新海誠 キャラクターデザイン:田中将賀 声優:原菜乃華(岩戸鈴芽)、松村北斗(宗像草太)、深津絵里(岩戸環)、染谷将太(岡部稔)、伊藤沙莉(二ノ宮ルミ)、花瀬琴音(海部千果)、花澤香菜(岩戸椿芽)、神木隆之介(芹澤朋也)、松本白鸚(宗像羊朗)ほか
映画「すずめの戸締まり」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「すずめの戸締まり」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「すずめの戸締まり」解説
この解説記事には映画「すずめの戸締まり」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
すずめの戸締まりのネタバレあらすじ:起
夜の草原。まばゆいほどの星空のもと、幼い女の子がお母さんを探しています。そこへ歩いてくるひとりの女性の姿…。
高校生の岩戸鈴芽はそんな夢をよく見ます。彼女は叔母の環と宮崎でふたり暮らし。自転車で学校へ行く途中、前から見かけない長髪のイケメンが歩いてきます。すれ違うと彼は、廃墟はあるかと聞いてきました。山の方に温泉施設があったと伝えると、彼は扉を探しているといって去ってしまいます。
気になった鈴芽はUターンしてそこへ向かい、中庭のような水の溜まった場所に扉があるのを見つけます。それを開けると向こう側は夢でみた星空の草原、でも足を踏み出すともとの場所に戻ってしまいどうしても中には入れません。そして、足元にあった石像のようなものを拾い上げるとたちまちそれは生き物へと変化し逃げていきました。
登校した鈴芽は、山の方から赤黒い雲のようなものが立ち上っているのを見つけます。しかし他の誰にもそれは見えておらず、鈴芽は再び自転車で廃墟へと向かいます。赤黒いものは先ほどの扉から出ており、イケメンのお兄さんがそれを閉めようと奮闘していました。
彼は来るなと言っていますが吹き飛ばされてしまいます。そのとき突然緊急地震速報が鳴り、大きな地震によって天井から鉄骨が崩れ落ちてきます。自分をかばってケガをした彼を手伝って扉を閉めると、彼は「お返し申す」と言って鍵をかけました。
鈴芽はケガの手当てのため彼を家に連れてきました。彼は宗像草太と名乗ると、先ほどの赤黒いものはミミズといって地震を起こす巨大な力であること、要石とはミミズを抑えるためのものであることなどを話してくれました。
そのとき突然窓際にやせた白猫が現れます。鈴芽が煮干しを食べさせ「うちの子になる?」と話しかけると白猫はみるみるふっくらし、「すずめ、やさしい、すき。おまえは、じゃま」としゃべります。すると草太が、鈴芽が子どものころから大事にしている足の一本取れた子ども用のイスになってしまいました。イスの草太は逃げた白猫を追って外に飛び出していきます。
鈴芽も草太の鍵を持って外に出ると、心配して職場から戻ってきた環の手を振りほどいて追いかけていきます。白猫は港でフェリーに入り込んでしまい、イスも注目を浴びながら続いていきます。仕方なく鈴芽も乗り込みそのままフェリーは出航します。
白猫はマストに上ると、ちょうどやってきた警備艇に飛び移ってしまい、なすすべのないふたりはそのまま愛媛まで行くことに。環には友だちの家に泊まるとウソをつきました。草太は、ミミズがかつて人で賑わっていた場所に出現する後ろ戸から出てくること、自分はその後ろ戸を閉める閉じ師であると説明すると、鈴芽は要石を抜いてしまったことに責任を感じます。
その夜、鈴芽はまた幼い自分の夢を見ます。クレヨンで絵日記を真っ黒に塗っている鈴芽。雪の中、ずっと母親を探している鈴芽…。
翌朝、愛媛に着いた草太が途方に暮れていると、鈴芽がスマホを見てSNSのTLで話題になっている白猫を見つけます。ダイジンを名付けられたその白猫はみかん畑にいました。鈴芽はスマホの電子マネーで電車に乗ると「#ダイジンといっしょ」で流れてくる風景をたよりに後を追います。
歩き疲れた鈴芽がみかん畑で知り合ったのは地元の女子高生、千果。話しているうちにまたミミズを見つけた鈴芽は、千果からその方向に廃村があると聞き走り出します。土砂くずれの跡を越えると学校があり、その出入口が後ろ戸になっていました。
草太はいち早く戸を閉めようとしますが鍵が吹き飛ばされてしまいます。そもそもイスの姿では鍵をかけることができず、鈴芽に託します。「目を閉じ、ここで暮らしていた人々のことを想え。それで鍵穴が開く。声を聴くんだ!」言われたとおりにすると光る鍵穴が現れ、鈴芽がそれを閉じるとミミズは地面に倒れ込む寸前に弾けて砕け散り、キラキラと夕陽を反射させる雨となって降り注ぎました。
地震を防いだ鈴芽たちが喜んでいると「すずめ、すごーい」とダイジンが現れてこう言います。「うしろどはまたひらくよ」
すずめの戸締まりのネタバレあらすじ:承
民宿を営む千果の家に泊めてもらえることになった鈴芽は、だれか悪い男といっしょに家出したのではと疑う環との電話を切り、すっかり仲良くなった千果と食事のあと民宿の手伝いをして過ごします。同じ部屋でおしゃべりしながら眠るふたり。
翌朝、寝起きの悪い人を起こすにはキスすればいいと笑う千果。鈴芽はイスにキスをして草太を起こそうとしますが寸前に目覚め、鈴芽は慌てます。明石海峡大橋にいるダイジンの姿がテレビに映り、千果に服とバッグをもらった鈴芽はヒッチハイクで追いかけようとします。
車は止まってくれずバスも来ず途方に暮れていると、双子を後ろに乗せた女性が神戸まで連れて行ってくれることに。その女性、ルミは神戸でスナックを営んでおり、その日子供たちを預けるはずの託児所が急きょ休みとわかるや、鈴芽に子供たちの相手を頼んできました。
仕方なくスナックの2階で双子の相手をしますが、想像以上にやんちゃなふたりに鈴芽はグッタリ。見かねた草太は自分を最新AI搭載のイスロボットということにしてその相手をするのでした。
その後、混んできたスナックのカウンターを手伝わされていた鈴芽は、客席にダイジンがいるのを見かけます。でも従業員のミキにはそれが人間の紳士に見えている様子。するとダイジンは外に出てしまい鈴芽が追うと、山の上にある閉園した遊園地からミミズが出てきているのが見えます。鈴芽は急いで草太を呼ぶと、そのままダイジンを追って遊園地へ向かいます。
ミミズは観覧車のいちばん下のゴンドラから出ていました。草太はダイジンを追い、鈴芽が後ろ戸を閉じることに。草太はダイジンに飛び掛かりつかまえますが、そのはずみで配電盤にぶつかり遊園地に電気が流れ始めてしまいます。しかもダイジンは「やくめはおまえにうつした」と言っています。
ふと鈴芽を見ると、観覧車が動き始めたためゴンドラが高い位置へ上がってしまい、しかもなにかに取り憑かれたようにゴンドラの中を見つめています。鈴芽はそこにあの夜の草原を見ていました。
草太はダイジンを離し鈴芽の救出に向かいます。ゴンドラに入り反対側から外に出ようとしていた鈴芽に声を掛けて正気に戻し、なんとか後ろ戸を閉めたふたり。草太は鈴芽が死者の世界「常世」が見えることを知り、行ってはいけない場所だとクギを刺します。
スナックに戻ってきた鈴芽は心配していたルミに叱られますが、そのあとはミキと3人で夜食をつくって楽しく食べました。深夜、草太は東京に住む大学生で卒業したら仕事をしながら閉じ師をすると話してくれました。そして眠りにつきますが、草太はもう人間に戻れず要石として記憶すらなくしてしまうという夢を見て絶望的な気持ちになります。
そのとき、鈴芽が密かにイスにキスをして草太は目覚めます。新神戸の駅まで鈴芽たちを送ったルミは、親御さんにちゃんと連絡するよう言って彼女を送り出しました。
鈴芽たちは新幹線でダイジンのいる東京に向かいます。草太の指示で電車を乗り継ぎ、鈴芽は草太のアパートへやってきました。大家さんから鍵を借りて中に入ると、そこで草太は古文書を取り出させ、日本の西と東にそれぞれ要石があり、ダイジンではない要石がこの東京にあるのだと説明します。
その具体的な場所を調べようとしますが、黒く塗りつぶされていてわかりません。近くに入院している祖父に聞くしかないか、と話していると突然ドアを叩く音が…。草太の友人、芹澤がやってきたのです。鈴芽がいとこだとウソをつくと、芹澤は草太が昨日の教員採用二次試験に来なかったことに腹を立てていました。
すると、そのとき突然緊急地震速報が鳴り、外に出ると近いところからミミズが出ています。慌てて鈴芽はイスを持って走り出します。その足元にはなぜかダイジンの姿もありました。
御茶ノ水駅付近までやってくると、ミミズは地下鉄のトンネルから出ています。どうやって閉じたらいいか考えあぐねているとスマホから「地震です」の声。ついに要石が抜けてしまったようです。「行ってくる」といってイスの草太は橋から飛び出し、鈴芽もまた彼を追ってそこから身を投げ出します。
鈴芽はミミズの表面につかまってそのまま上空へと身体を運ばれてしまいます。ミミズの表面はもろく、またそれは上空で水平に渦を巻きながら増大していきます。ダイジンは「いまからたくさんひとがしぬ」と言います。「要石に戻って」と鈴芽が頼むと自分はもう要石じゃないと言い、いまは草太が要石なのだと本人が認めました。
「じしんがおきるよ。みみずがおちるよ。ひとがいっぱいしぬよ」とダイジンは鈴芽を煽り、草太を要石として突き刺すよう急かします。鈴芽は引き裂かれそうな気持ちになりながら、大震災を防ぐために氷の槍のようになった草太をミミズに突き立てました。
ミミズは消え失せ、東京の街にキラキラと虹色にきらめく小雨が降り注ぎます。鈴芽は上空から落下し、それをダイジンが変化して包み込み守ります。鈴芽はそのままお濠の水の中へと落ちていきました。
すずめの戸締まりのネタバレあらすじ:転
幼い鈴芽は、お母さんが木槌でトントンしてなにかを作っているのを見ています。黄色のペンキが塗られ、可愛いイスが出来上がりました。お顔はどこ?という鈴芽のためにお母さんは背もたれに目を作ってくれました。「いっしょうだいじにする」と大喜びの鈴芽。
鈴芽がそんな夢から覚めると、地下水路にいました。そこには古い城門があり、その中にあの星空が見えます。「ここって東京の後ろ戸?」そう思って見ると、小高い丘の上に草太のイスが刺さっていました。
鈴芽は近づこうとしますがどうしても門から中に入れません。ダイジンがそばにいますが、草太を奪われた憎しみから鈴芽はつらく当たり、もとのみすぼらしいやせ猫の姿に戻ってしまいます。「絶対助けに行くから」と言いながら鈴芽は門を閉じて鍵をかけました。
首都高トンネルの端を歩いて地上に向かい、ボロボロの服、血のにじんだ靴下のまま電車に乗った鈴芽。そのまま草太の祖父の病院へと向かいます。彼、宗像羊朗は鈴芽に、草太が要石になったことを誇りに思う、そうしなければ昨夜百万人が死んでいたと言います。そして草太は何十年もかけて神を宿すのだと。
あきらめきれない鈴芽は、なんとしても後ろ戸を開けて中に入る、そして草太を助けると言い切ります。そんな鈴芽に羊朗は、人が入れる後ろ戸は生涯にひとつだけ、幼い頃に迷い込んだのならそれを探すことだと話してくれました。
草太のアパートでシャワーを借り、元の制服に着替えると草太の靴を履いて鈴芽は出かけます。御茶ノ水駅までくると、赤いオープンカーに乗った芹澤に呼び止められました。草太のところに行くなら連れて行ってやるという芹澤。無視して行こうとしますが絡まれていると、そこへ環が現れます。
鈴芽の電子マネーの履歴を追ってここまでやってきた環。鈴芽は環から逃れるため「芹澤さん、出してください」と車に乗り込みます。しかし環、ダイジンまでもが乗り込み、長いドライブが始まりました。
芹澤は環に学生証を見せ、これでも教師を目指していると言って安心させようとします。環は鈴芽のことを娘ではなく姪だと説明します。宮城県までやってくると鈴芽は車を停車させ、揺れを感じたといって走っていきます。
あとからついてきた芹澤は、震災後整備された土地をみてきれいだと言いますが、鈴芽は「え?これがきれい?」と信じられない様子。そして一刻も早く草太に会うため先を急ごうとします。
突然雨が降り出し、オープンカーの屋根が閉まりきらないせいで前の席の芹澤と環はずぶぬれに。道の駅に立ち寄りふたりは着替えたり食事をとったりしますが鈴芽だけは食欲ないといって車に残っています。
心配した環がやってきてもまともに話さない鈴芽に環は「もう私、しんどいわ。もう10年あんたに尽くしてバカみたい」と言ってしまいます。全然割に合わない人生だと言う環に今度は鈴芽が「私だっていたくて一緒にいたんじゃない!環さんが言ったんだよ、うちの子になれって!」と反論します。環が「おぼえてない。もううちから出て行って。私の人生返して!」と言い放つと鈴芽は違和感をおぼえ「あなた誰?」とたずねます。「サダイジン」と答えたそれは大きな黒猫でした。
環は倒れ、すぐに起き上がると「ごめん、ちょっと」といって店に走っていってしまいます。サダイジンはダイジンをくわえると後部座席に乗り込み、みるみるちょっと大きめな猫サイズへと縮んでいきます。
環は芹澤にすがりつき、なんであんなこと言ってしまったんだろうと後悔して泣いています。
雨が止み、再度走り出した車内は重苦しい雰囲気で、芹澤の流す昭和歌謡だけが響いています。「猫たちはよほどしてほしいことがあるんじゃないの」と芹澤が言うと、「そのとおり」とサダイジンが答え、驚いた芹澤は車を路肩から落としてしまいます。
目的地まであと約20キロ。鈴芽は芹澤と環に礼を言うと猫たちとともに走っていってしまいます。環は道端にうち捨てられていた自転車を起こすと、「君、意外と良い先生になるかもしれんね」と芹澤に言って鈴芽を追います。
追いついた環は「乗りなさい」といってうしろに鈴芽を乗せてまた走り出します。「駐車場で言ったこと、思ったことはあるよ。でもそれだけじゃない」そういう環に鈴芽は、「私もごめんね」と謝るのでした。
すずめの戸締まりの結末
12年ぶりに帰ってきた鈴芽の家は土台しかありません。そこで庭から掘り出したのは大切なものをしまった宝物の缶でした。その中には絵日記が入っています。誕生日にあのイスをもらった楽しそうなページから一転、3月11日からは何ページも真っ黒に塗りつぶされた日が続いています。
しばらく見ていくと鮮やかな扉の絵が現れ、その先には星空が描かれていました。そしてとなりのページには草原に立つ幼い少女と、白いワンピースを着た大人の女性が描かれていました。鈴芽は現実にその扉を探し始めます。
しばらくすると横倒しになっている扉が見つかりました。それを立てると鈴芽はダイジンに「ほんとうは後ろ戸を開けてたんじゃなくて後ろ戸のある場所に案内してくれてたの?」と声をかけ、「ありがとう、ダイジン」と礼を言うとダイジンはまたふっくらとした元気な姿に変わりました。
扉を開けて「行ってくる」と言う鈴芽に環は「どこへ?」とたずねます。「好きな人のところへ!」と言って鈴芽は常世へ入っていき、環は「おねえちゃん、鈴芽を守って」と祈ります。
鈴芽たちは常世へと落下していきます。大きなミミズが頭を持ち上げ、後ろ戸から外へ出ようとしています。サダイジンは巨大な姿に変化するとミミズに向かっていきました。鈴芽とダイジンは、あちこち燃えている地面へと降りていきます。そしてミミズの胴体がとぐろを巻いていて小高い丘のようになったその頂上に、草太のイスがあるのを発見します。
鈴芽はそこへ上り、イスを引き抜こうとしますが、ダイジンに「ぬいたらみみずがそとにでちゃうよ」と言われてしまいます。「私が要石になる」と叫んで鈴芽が力を強めたのでダイジンも仕方なくそれを手伝います。冷気を感じながら「私こんなところまで来たんだよ。答えてよ」と必死に草太に呼びかける鈴芽。
その声が届いたのか、草太は次第に意識を取り戻し、生きたいという気持ちが湧き上がってきました。鈴芽は「起きて。目を覚まして」と言い、冷たいそのイスに唇をつけます。波打ち際の扉の前に座っていた草太は氷から解き放たれ、鈴芽の体温を感じ、その手に触れて扉をくぐることができました。
倒れていた鈴芽と草太が目覚めます。近くに倒れ込んでいたダイジンが「すずめのこにはなれなかった」と言い、「すずめのてでもとにもどして」と頼むと冷たい石の像に姿を変えていました。遠くではサダイジンがミミズの頭を相手に苦戦しています。
鈴芽は石像を持つと草太とともに丘へ上り、そこで草太は祝詞を唱え始めます。鈴芽はここに生きたたくさんの人々の言葉に耳を傾け、やがてふたりの身体は宙を舞い、草太はサダイジンを、鈴芽はダイジンを、「お返し申す」「お返しします」と言いながら突き刺しました。ミミズは泡のように弾け、やがてその残滓は盛り土のように地上に横たわっていました。
草太は鈴芽を起こし、自分の着ていた白いロングシャツを彼女にかけます。鈴芽はそこで見つけたあのイスを拾い上げます。すると少し離れた場所に小さな女の子がいることに気づきます。それは4歳の鈴芽でした。
その子は必死にお母さんを探して走って転んでしまいます。「もういいの!」高校生の鈴芽はそう言ってその子を抱きしめると「今はどんなに悲しくても、すずめはちゃんとこの先大きくなるの。だから心配しないで」と語りかけます。「おねえちゃん、だれ?」と聞かれた高校生の鈴芽は、「私はすずめの明日」と明るく答え、イスを持って戻っていく幼い鈴芽を見送ります。
「大事なものはもう全部もらってたんだ」と言うと、鈴芽は草太とともに常世を離れ、扉を閉めて鍵をかけました。「いってきます」と言いながら…。
芹澤や環と合流したあと、草太は戸締りしながら帰るといって列車に乗り込みます。見送る鈴芽が「あの、草太さん…」と口ごもると、いったん降りてきた草太は「鈴芽さん。俺を救ってくれてありがとう」と抱きしめ、「逢いに行くよ、必ず」と言って旅立っていきました。
その後、3人で東京に戻ったあと、鈴芽は環とともに神戸、愛媛と世話になって人たちのもとを訪ねながら宮崎へ帰っていきました。
いま鈴芽は看護師を目指して勉強中です。いつものように学校へ行こうと自転車ででかけると、前からロングコートを風にたなびかせながら歩いてくる人物が見えました。鈴芽はうれしそうに声をかけます。
「おかえり」
以上、映画「すずめの戸締まり」のあらすじと結末でした。
鈴芽が日記を開いた時に“3.11”と書いてあるところは鳥肌たった。