シンゴジラの紹介:2016年日本映画。シンゴジラは日本版ゴジラとしては12年ぶりの映画化作品で、ゴジラシリーズ第29作目。ある日突然東京湾で水蒸気爆発が起きた。すぐに総理の耳にも入り慌ただしく動く日本政府。その原因は海の中に潜む巨大な生物ゴジラだった。目的も正体も分からないその生物ゴジラに翻弄される日本。そんな中内閣官房副長官を務める矢口はその存在に対抗する術を見つける。しかし遠くの国の人間は核を使い街もろとも破壊しようと考えていた。
監督:庵野秀明(総監督) 樋口真嗣(監督・特技監督) 出演:矢口蘭堂(長谷川博己) 赤坂秀樹(竹野内豊) カヨコ・アン・パタースン(石原さとみ) 大河内清次(大杉漣) 東竜太(柄本明) 志村祐介(高良健吾)ほか
映画「シンゴジラ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シンゴジラ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シンゴジラの予告編 動画
映画「シンゴジラ」解説
この解説記事には映画「シンゴジラ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シンゴジラのネタバレあらすじ:巨大未確認生物
東京湾で漂流する1隻のクルーザーが発見される。内部を調査するが人はおらず折り鶴が置かれている。その直後、海で爆発が起こり東京湾アクアラインのトンネルが崩れるなど被害をもたらしたが原因は分からず日本政府はパニックに陥っていた。内閣官房副長官の矢口(長谷川博己)はそこに巨大な生物がいる可能性を示唆するも取り入ってもらえず政府の役人達はただひたすら臨時の会議をするしかできなかった。そんな時、爆発の起こった場所で動きがあった。巨大な尻尾のようなものが海面から飛び出していたのだ。矢口の言っていたことが現実となってしまったことですぐにその筋の専門家数名を招集。しかし尻尾だけでは何も言えないと話は振り出しに戻ってしまう。その巨大な生物は侵攻を始める。そしてついに街に上陸しその姿を現した。まるで巨大なトカゲのようなその生物は街を破壊しながら進んでいた。その目的はその時点では分からなかった。街の真ん中で突然動きを止めたその生物は這っていた身体を起こし立ち上がる。すると身体に合わない小さな腕をはやすなどまるで進化のようにその姿を変えた。
シンゴジラのネタバレあらすじ:GODZILLA
矢口の元にアメリカからの要人カヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)がやってきた。カヨコと名乗る彼女は今回の騒動の鍵を握るある人物を探してほしいという。しかしその人物の姿は見つけられなかった。変わりに彼の残したものと思われるある資料を発見する。そこにはある名前「GODZILLA」が刻まれていた。それはカヨコの研究でも使われていた名前だった。「ゴジラ」それはある街では神の化身として崇められている存在。それがあの不明生物の正体だった。とはいえあの生物、ゴジラの謎は深まるばかり。先日街で姿を変えたと思ったら海に引き返しまた姿を消してしまったのだ。矢口はゴジラに対抗するため特別チームを設立。各分野のスペシャリストの人間を集めゴジラの謎を解明しようとした。そんなある日、またゴジラが姿を現した。その姿は先日のものとはうって変わりさらに2倍近く巨大になっていた。そしてついに自衛隊によるゴジラへの実力行使が行われた。ヘリコプターや戦車など何十台でゴジラを打ち続けた。しかし傷一つ付けられなかった。
シンゴジラのネタバレあらすじ:破壊される街
自衛隊の力にびくともしないゴジラはなおも進撃を続ける。それは矢口たちのいる東京に迫っていた。そこへ米軍の爆撃機が駆け付けた。そして上空からミサイルを放つ。そのミサイルは見事ゴジラの身体を傷つけることができた。たしかに効いている。そう確信した次の瞬間、ゴジラの背びれが紫色に光った。そして口から真っ黒な煙を吐くと同時に街に衝撃波が広がった。そしてその煙は真っ赤な炎に変わりついに紫色の細い光線に変わった。ゴジラの口から放たれたその光線は街を破壊し上空を飛んでいた爆撃機をも破壊。さらにゴジラは背中からも同じような光線を無数に放ち街はみるみる破壊されていった。そして破壊の限りを尽くしたゴジラはエネルギーが切れたのか、眠るようにその場で静止した。次の日、職場に戻った矢口はチームの半分が消息不明で戻らないことを悔やんだ。しかし彼らには悔やんでいる暇はなった。今こそ彼らが立ち上がり日本を救わなければならなかった。そのためにゴジラを倒す術を確立しなければいけなかった。
シンゴジラのネタバレあらすじ:凍結作戦
ゴジラを倒すため彼らが思いついたのはゴジラを凍結させることだった。破壊できなければこれしか方法はない、そう思った彼らだったがまだゴジラそのものの解明には至らず時間を要していた。しかしゴジラが動き出すまであまり時間はない。それはもはや日本だけの問題でもなくなっていた。そしてついに多国籍軍による東京での核攻撃によるゴジラ破壊が決定された。その頃にはゴジラの身体の謎は解明されつつあり、後はゴジラ凍結のための血液凝固薬を作るだけだった。そこで矢口を信じる彼の仲間の数人により核攻撃までの時間を稼ぐことに。その間に矢口達はゴジラ凍結のための薬の確保を急いだ。そしてそれはぎりぎりの所で間に合い矢口の指揮のもとゴジラ凍結のヤシオリ作戦が決行されることになった。ヤシオリ作戦は危険なものになった。ゴジラの本能で近くを飛ぶ物は全て撃墜されてしまう、だからゴジラに薬を投与するには近くまで車で行くしかなかった。そのためにいくつかの足止め作戦をすることになる。
シンゴジラの結末:共存の道
それは日本の持てる力を全て発揮しなければならなかった。まず無人戦闘機のミサイルによりゴジラのエネルギーを使い果たさせる、次に無人の新幹線をゴジラに衝突させ気を逸らした。そして近くのビルを破壊しゴジラにぶつけたり無人の在来線をいくつもぶつけることによりゴジラを転倒させることに成功。そして倒れたゴジラの口に血液凝固剤を注ぎこんだ。2度に渡る作戦によりついにゴジラの身体を-196℃に凍結させ、ヤシオリ作戦は成功。日本は救われたのだ。しかし次に矢口達がしなければいけないのは破壊されたこの東京の復興だった。そしてそれはゴジラの凍結された身体と共に暮らしていくことになる。矢口は既に未来に目を向けていた。この国を守らなければと。ラストシーン、ゴジラの尻尾には人間の体が浮き上がっていた…。
以上、映画シン・ゴジラのあらすじと結末でした。
シンゴジラのラストで登場するゴジラの尻尾の意味。ゴジラ第5形態とは?
シンゴジラのラストに登場するシーンで、ゴジラの尻尾の先端には人間の形をしたものがいくつも付いています。このシンゴジラのラストシーンは映画の中では解説されないため、この尻尾の人型をめぐって色んな憶測が飛び交いました。シンゴジラの結末については続編を思わせるような終わり方となり、尻尾の謎も含めて日本国民の今後の生活に影を落とす形となっています。さて、ゴジラの尻尾の意味とは何なのか、これにはいろんな説がささやかれていましたのでいくつか紹介します。1つ目はゴジラを生み出してしまったのは環境汚染などをした人間であり、そんな人間に対する警告や根源であることを尻尾の形によって暗示している説。2つ目は、ゴジラは人間を体に取り込んでいて、その人間の養分によってエネルギーを蓄えているのではないかという説。3つ目はあの人型の尻尾から牧博士が出てくるという説。
そして現在、公式に明らかになっているのが、ゴジラ第5形態への分離・進化の途中だったという話です。映画ではゴジラは凍結しただけで死んでおらず、もしも進化を止められなかったら、第5形態の人型ゴジラが尻尾から誕生し、無限に増殖していくことを象徴していたというのです。映画の中でゴジラは第1形態から第4形態まで進化しています。しかし第5形態への進化の途中でゴジラが凍結されたため、その進化途中の様子としてラストシーンは描かれているというのです。この小型で人間に近いゴジラ第5形態は無限に増殖し羽が生えて、やがて世界中に飛翔し人類を覆いつくそうとしていたというのです。
映画シンゴジラの中では結論は描かれていませんので、ゴジラの尻尾の謎は続編の制作によって設定が変更される可能性もありますが、隠された意味や真相を考えながら映画を見返してみると面白いですね。
シンゴジラのキャスト・出演者
長谷川博己(内閣官房副長官 矢口蘭堂)、竹野内豊(内閣総理大臣補佐官 赤坂秀樹)、石原さとみ(米国大統領特使 カヨコ・アン・パタースン)、高良健吾(内閣官房副長官秘書官 志村祐介)、松尾諭(保守第一党政調副会長 泉修一)、市川実日子(環境省自然環境局野生生物課課長補佐 尾頭ヒロミ)、平泉成(農林水産大臣 里見祐介)、柄本明(内閣官房長官 東竜太)、大杉漣(内閣総理大臣 大河内清次)、余貴美子(防衛大臣 花森麗子)、國村隼(統合幕僚長 財前正夫)、ほか
「シンゴジラ」感想・レビュー
-
2016年の話題作ということで映画館で観たのですが、なんといってもゴジラの迫力がすごい!身体の底に響くようなゴジラの咆哮に身震いするようでした。内閣や政治的な動きを主に描いたリアリティのある作品で、アメリカ側から核の使用を迫られての交渉や地下鉄の構内に避難する様子は「もし現代の東京にゴジラが現れたら……」というIFをとことん追求したものです。
関東に住んでいる方は特に、知っている建物や地域が多く登場するのでその点でも楽しめると思います。 -
雑誌で読んだのですが、庵野監督はこの映画を撮るにあたって、ドラマを入れないようにしよう、という考えだったそうです。想像ですが、たぶんこんなシーンのことを言っているのでしょう。
<自衛官Aが作戦遂行のために妻に別れを告げる。「あなた、いやよ、行かないでェ」「大丈夫だ、ぼくは……ぼくはきっと帰ってくる」「アナタァッ」「ヨリコォッ」ふたりはひっしと抱きあう。背後にこれでもかこれでもかと感動をかきたてる音楽が高まって、観客に涙をうながす>
本映画では、こういったお涙頂戴的なものは確かに廃されていますが、しかし、ドラマがないとは思いません。対ゴジラ作戦のために、矢口が自衛官たちを前にこんなことを言います。(記憶で書くのでかなり不正確です)
「この作戦は君たちの安全を保障するものではありません。しかし、日本を守るためにどうしても君たちの力が必要です」
特別に背景に音楽を流しているわけでもなく、それでも、心にぐっときて、ほろっと泣いてしまいました。いいシーンだったと思います。 -
淡々と話は進み、誰かのドラマティックな死も別れも直接的には描かれませんが、発信履歴しかない電話の画面やスマートフォンで撮影されたかのような映像など、観客の想像力を信頼した作品だなと思いました。
最後の無人在来線爆弾のシーンはBGMも相まってテンポよく進み、それまでゴジラに蹂躙されてきたビル群や電車たちが反撃していくシーンは小気味よささえありました。
まさしく現実vs虚構。
何度でも見たくなる映画です。 -
そうですね、自分はてっきり明るい場面もあるかなと思いましたが、明るい訳じゃなかったですね。ですが、ゴジラのスタイルは意外とよかった感じがしました。自分はゴジラに憧れているので、映画で見れて嬉しいです。たとえいい立場ではないゴジラでも、自分にとってはヒーローのように思いましたし、みんなを盛り上げてくれる存在のように思いました。正直、いい怪獣ではないゴジラはそれを我慢しているように思えたから、自分もゴジラに例えて辛抱強くならなきゃと前向きにな気持ちになれました。味方だった時もあれば味方ではない時のゴジラも様々だから面白いと思います。
-
2017年の地上波初放送で見ましたけど、メチャクチャおもしろい映画でした!個人的にはBGMが迫力があって良かったと思います。あと蒲田くんと品川くんがキモかわいかった。ゴジラシリーズ好きな方、楽しんで観られると思います。
-
僕はハリウッドのゴジラをよく観ていたので日本のゴジラを観るのはシン.ゴジラが初めてでした。最初は、ゴジラが海から上がってくるのかな?と思って観ていたらゴジラの姿形とはかけ離れた赤い巨大生物が海から出現するというまさかの展開に度肝を抜きました。
その赤い巨大生物(ゴジラ第1形態)が海に戻っていき、一件落着?と思ったらついにゴジラとなり海からの再度登場ですよ。めちゃくちゃカッコイイ✨自衛隊の攻撃にもびくともせず進んでいくゴジラにはもはやこれでもかというほどの恐怖を感じました。ゴジラの光線により燃えた東京をバックにゆっくりと歩いてくるゴジラ。このシーンは観ていて鳥肌が立ちました。ここまでの絶望感を味わう事ができる映画はシン.ゴジラだけだと思います。
ゴジラとの決戦、ヤシオリ作戦ではビルや無人電車を利用してゴジラに立ち向かうというまさかの展開!!これには驚きました!
それでは最後にシン.ゴジラを観て考えた事を
書いていきます。
“ゴジラ”は怪獣ではない。もはや人間にとって
畏怖の存在。すなわち”歩く災害”である。
いまいち伝わりにくいかも知れませんが、シン.ゴジラを観終わって真っ先にこの考えが頭に浮かびました。
シン.ゴジラは本当に面白い映画です。人によっては会話、やりとりの時間が長すぎると感じるかもしれませんが是非観てほしいです。
『新世紀エヴァンゲリオン』等でおなじみの庵野秀明監督が手がけたゴジラ映画。観る前は正直不安しかなかったのですが、映画冒頭から一気に引き込まれました。本作のゴジラは災害そのものといった形で描かれており、その事象を政治的立場から解決していく点が面白い。
初代や84年版のゴジラでもこうした描写はありましたが、そこをよりスケールアップしたことで怪獣映画にも関わらずリアリティあるドラマになっていると思います。
フルCGによるゴジラということで、特撮技術的にも以前のシリーズよりは格段に進歩しており、ゴジラが攻勢に出る場面の圧倒的破壊シーンには痺れました。
また、従来のシリーズではゴジラという存在を知っている前提で話が進むものばかりでだったのに対して、今作では初代のゴジラと同じく初めて現れるという形になっているところも良かったです。そこを逆手に取って、見たこともないような怪物をまず登場させて途中で従来の姿を変えてみせる…という演出は驚きましたね!
旧作のゴジラシリーズを思わせる演出や構図、音楽が随所で使用されることで、特撮好きの自分としてはグッと来るところ多数だったので、映画終盤の無人在来線爆弾のシーンで流れる『宇宙大戦争マーチ』には大いに盛り上がりましたね!
エヴァの影響を受けて作られた『踊る大捜査線』や『ガメラ』等の作品群を経て、それらが庵野監督の手でもう一度取り込まれて出来上がったのが『シン・ゴジラ』と考えると感無量ですね。他にも色々な作品のオマージュや影響も散見されるので、そういったものを探しながら何度も観直すのも楽しいかと!
不満点がまったくない訳ではないですし、批判も多かったりする作品ではありますが、新しいゴジラの切り口を観れたので満足です!