一命の紹介:2011年日本映画。1962年公開の「切腹」をタイトルを変えて市川海老蔵主演でリメイクした作品。第64回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された。貧乏な暮らしを強いられながらも、愛する人と一緒に歩んでいくことを決意した2人の侍の生きざまを描く。
監督三池崇史 出演:市川海老蔵(津雲半四郎)、瑛太(千々岩求女)、満島ひかり(美穂)、竹中直人(田尻)、青木崇高(沢潟彦九郎)、新井浩文(松崎隼人正)、波岡一喜(川辺右馬助)、役所広司(斎藤勘解由)、ほか
映画「一命」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「一命」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
一命の予告編 動画
映画「一命」解説
この解説記事には映画「一命」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
一命のネタバレあらすじ:起
舞台は江戸時代初期、名門井伊家に訪ね人がありました。男は名前を津雲半四郎といって元福島家家臣でした。半四郎は「切腹をしたいので井伊家の庭を貸してほしい」と頼みました。応対した家老の斎藤勘解由は同じ様に切腹した若者のことを語り始めました。それは同じく福島家の家臣だった千々岩求女の話でした。庭を借りて切腹したいと求女の求めに、勘解由は巷で噂になっている狂言切腹だと見抜きました。これは切腹の為に庭先を借りたいと申し出ることで、面倒を避けたい大名家側から金銭を受け取る狂言でした。家臣との協議の結果、求女の望みを叶えてやるべきとなりました。しかし狂言切腹のつもりだった求女は慌てます。なんとか逃れたい求女は様々な懇願しますが見せしめにするつもりの井伊家は許さず介錯人もやってきました。覚悟を決めた求女は切腹を決めます。求女は竹光を取り出しました。しかし真剣でなく竹光ではまともな切腹はできません。竹光を腹に突き立てた求女は介錯を求めますが、井伊家の物はあざ笑うばかりで動きません。業を煮やした勘解由の指示によってようやく求女は介錯されました。
一命のネタバレあらすじ:承
事の顛末を語った勘解由はまだ切腹する気かと半四郎に聞きますが、半四郎は平然として切腹することを望みました。用意された切腹の場で半四郎は一人の男のことを語り始めました。それは千々岩求女でした。かつて福島家で半四郎と求女の父は親交がありました。しかし幕府に無断で城の修繕をした罪で福島家はお取り潰しになりました。求女の父は家に殉じました。半四郎は幼い求女を引き取って養育しました。自身の娘の美穂と共に江戸にやってきた半四郎は井伊家の門を見せて武家の代表だと教えました。いつか再仕官を夢見る半四郎は差料を大切にしていました。数年が過ぎて美穂と求女は夫婦になりました。半四郎と求女は義理とは言え親子になったことを大いに喜びました。
一命のネタバレあらすじ:転
やがて仕官はまだ出来ませんでしたが、子供も生まれて幸せでした。しかし幸せは長く続きませんでした。妻子が病気になってしまったのです。しかし治すお金はありませんでした。差料も既に竹光に変わっていました。舅の半四郎にも蓄えはありませんでした。追い詰められた求女は幼い頃に見た井伊家の門を思い出し、狂言切腹に向かいました。その夜、求女は遺体になって帰って来ました。送り届けた井伊家の家人を追いかけた半四郎が戻ってくると娘と孫は自害していました。
一命の結末
半四郎の話を聞いた勘解由は求女を介錯した三人の家臣が出仕していないことに気づきました。半四郎は三人の髷を取り出しました。家臣を手にかけたと思った勘解由は半四郎を切れと命じました。半四郎と井伊家家臣は大立ち回りを繰り広げました。長い時が過ぎて、もう終わったと思わった勘解由でしたが半四郎は井伊家の精鋭を悉く退けていたのです。井伊家の象徴である鎧が崩れた時、半四郎は「武士道がそんなに大事か」と問いました。急に無抵抗になった半四郎は打ち取られました。数日後に藩邸にやってきた井伊家の主は鎧が綺麗に手入れがされていることを喜びました。勘解由は「武門の誇りとして手入れは欠かさぬようにしております」と答えました。
この映画の感想を投稿する