映画「一度死んでみた」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
一度死んでみたの紹介：2019年日本映画。広瀬すずがデスメタルバンドのボーカルを演じる話題の映画『一度死んでみた』。共演の吉沢亮とともに、期待以上のコメディセンスを披露している。監督は、au「三太郎」シリーズや「日野の2トン」で知られるCMディレクターの浜崎慎治。脚本はソフトバンクの「白戸家」などを手掛けるCMプランナー＆クリエイティブ・ディレクターの澤本嘉光。この強力布陣のためか多くの有名俳優がチョイ役で出演しており、それを見つけていくのも楽しみのひとつとなっている。
監督：浜崎慎治 脚本：澤本嘉光 音楽：ヒャダイン キャスト：広瀬すず（野畑七瀬）、吉沢亮（松岡卓）、堤真一（野畑計）、リリー・フランキー（火野）、城田優（警備員）、原日出子（掃除のおばさん）、佐藤健（ボーイ）、池田エライザ（あかね）、志尊淳（野畑製薬社員）、古田新太（計の元同僚）、大友康平（ジェームス布袋）、竹中直人（坊主）、妻夫木聡（クラウンホテル支配人）、木村多江（野畑百合子）、松田翔太（藤井さん）、ほか
この解説記事には映画「一度死んでみた」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
野畑七瀬（広瀬すず）は野畑製薬の社長の娘。幼い頃から理屈っぽい父・計（堤真一）に後を継ぐべく育てられ、現在は大学の薬学部で学んでいます。強制的に父の会社の面接を受けさせられますが、父親が大嫌いな七瀬は「この会社への入社は希望しません！」と宣言するのでした。
子供時代の七瀬は、花火の成分や元素記号について父と話したりする子でした。そんな七瀬を母・百合子（木村多江）はあたたかく見守っていましたが、病気で亡くなってしまいます。母が病室で最期を迎えたとき、父は仕事で立ち会うことができず、そのことを七瀬は根に持っていました。
一方野畑製薬では、ライバルのワトスン製薬との合併話が持ち上がっていました。これは、野畑製薬が開発中の若返り薬を我が物にしようというワトスン製薬社長の田辺（嶋田久作）が企てているもので、野畑社長はもちろん取り付く島もありません。
そんな野畑製薬には新たなブレーンとして渡部（小澤征悦）が加わり、社長の懐刀として手腕を振るっています。また、存在感のないゴースト社員松岡（吉沢亮）が、その個性を買われて社長秘書に抜擢されました。でもその仕事は、社長の娘七瀬の行動監視というものでした。
12月23日。経営状態の芳しくない野畑製薬では、渡部が田辺製薬との合併を進めようと水面下で動いています。社長の野畑は新薬“ロミオ”の開発状態を確認するため、研究室を訪れます。そこで研究員の藤井（松田翔太）から、二日間だけ死ぬ薬“ジュリエット”ができたと聞かされた野畑と渡部。藤井はまずは自ら治験すると言って、その薬を飲んで自室にこもってしまいました。
一方、七瀬は自身がボーカルをつとめるデスメタルバンド“魂ズ”のメンバーが就職や結婚で次のステップへと進む中、「七瀬の本当にやりたいことって何？」と問われて答えることができません。ライブハウスにスカウトのためやって来たプロデューサーは、「彼女の歌には魂が入ってない」と監視中の松岡に告げて帰っていきます。
そして、七瀬のファンの男たちに怪しまれた松岡は、彼らの集まる居酒屋へと連れていかれてしまいます。普段は影の薄い松岡ですが、酒が入ると別人のように暴れだし、ファンの男たちは松岡に従わざるを得なくなってしまいました。
新薬の情報が漏れてしまった野畑製薬の社長室では、渡部が「一度社長が死んだことにして、裏切り者をあぶり出しては？」と提案し、半ば強引に“ジュリエット”を飲ませてしまいます。そして次々と書類にサインさせ、新薬“ロミオ”のデータがどこにあるか聞き出そうとしますが、野畑はデータではなく研究ノートをある場所に隠してあり、それは奥さん（故人）が知っている、とだけ言って一度死んでしまいます。その様子を松岡が、ロッカーの中に隠れて見ていました。
幽霊になった野畑は、冥界への案内人・火野（リリー・フランキー）に連れられて三途の川を渡りそうになりますが、舟の上で暴れて火野を断念させ、元の世界へと戻ってきます。野畑の遺体は社員食堂に安置され、そこに報せをきいた七瀬がやってきました。すべてが渡部の陰謀だと知っている松岡は、七瀬に協力を仰ごうとしますが中々うまくいきません。
そんなとき、七瀬の目に遺体とは別の、動いている父の姿が映ります。父は何かを喋っていますが、声は聞こえません。そして、さっきまで嫌な父の臭いがしなかったのに、姿が現れた途端父の臭いがしてきました。パニックになった七瀬はとっさに消臭スプレーをかけ、父の姿も臭いも消えてしまいました。
12月24日。野畑製薬の役員会議では、いつも通りの雰囲気でのんびりと会議が行われています。野畑が死ぬ前にサインした書類によって、新社長には七瀬が就任することになってしまいました。この機に乗じて合併話を進めようとする渡部でしたが、役員たちにあっさり否決されてしまいます。
田辺に失敗の報告をした渡部は、現在遺体となっている野畑社長を生き返る前に火葬してしまえと命令されます。そして、告別式はやらずに火葬すると発表してしまいました。
松岡は、渡部の策略を阻止しようと役員の前で七瀬にひと芝居うたせ、告別式を行うことを約束させます。しかし田辺たちは、式場という式場を押さえ、棺桶という棺桶を買い占めて妨害します。七瀬は、郷ひろみのショーが中止になったことを思い出し、そのホテルを予約することに成功します。
ただし、告別式では使用が認められないので、魂ズのライブ会場として準備を進めます。棺桶も無事調達でき、あとは明日を迎えるのみとなった七瀬に松岡は、コンビニで買ったクリスマスケーキを差し入れし、遺体の横にあったろうそくを挿してふたりで食べるのでした。
12月25日。渡部によって火葬の時間が早められ、再び父の生還が危機に。松岡は、切り札となる研究ノートを渡部より先に見つけるため、七瀬の自宅へやってきました。そして仏壇にある妻のホログラムの下でボタンを発見しましたが、ノートを手に入れるためにはパスワードを入力しなければなりません。それは「大事なもの」。野畑七瀬、と名前を入れますがエラー。落ち込む七瀬を尻目にいろいろと試すもことごとくエラーに…。そしてふたりは七瀬の名前が元素記号で構成されていることに気づきます。
無事にノートを手にしたふたりがホテルへ向かおうとすると、屈強な男がふたり立ち塞がります。松岡はすぐやられてしまいますが、日頃サンドバッグにキックして鬱憤を晴らしていた七瀬の蹴りで男たちを倒し、なんとかホテルまでたどり着きました。しかし田辺の手下がたくさんいて近づけません。
そこで松岡は七瀬のファンの男たちを呼び出し、告別式＝ライブ会場へといっしょになだれ込みます。そして心を込めて、父への思いを歌い上げる七瀬。会場は感動に包まれますが、渡部たちによってあっという間に棺桶に蓋がされ、火葬場へと運ばれてしまいました。
七瀬たち、そして野畑製薬社員、魂ズのファン、田辺の手下、そして集められたマスコミらが見守るなか、火葬は始まってしまいました。しかし、程なくしてその扉が開き、中から野畑が出てきたのです。その頭は、先ほど告別式で宇宙飛行士の野口聡一さんから棺桶に入れられたヘルメットで守られていました。
そのまま野畑親子への即席記者会見が始まりますが、この異常事態の中で七瀬が新社長というのは認められない、この場での年長者の意見に従うべきだ、と苦し紛れに渡部が言い出し、指名された田辺（60歳）が二社の合併を発表しようとします。しかし、それに異を唱えたのは研究員の藤井でした。見た目は若いが実は藤井は80歳だと言います。
それは自分で開発した若返り薬を自身で試した結果だというのです。野畑製薬の社員はそのことを皆知っていましたが、最近入ったばかりの渡部はそれを知りませんでした。それによって合併は阻止され、もう若返り薬は作らないと宣言した社長の意を受け、松岡は研究ノートを燃え盛る火葬場の火の中へと投げ込みました。
父が母の最期を看取ることができなかったのは、そのときまで妻を救う薬の開発をあきらめなかったからだということを知った七瀬。父と娘はようやく仲直りをし、七瀬は人を助ける薬を作るため、野畑製薬に入りたいと改めて父に告げました。そして、今回協力してきた松岡とも急接近。父の前でふたりはキスを交わすのでした。
以上、映画「一度死んでみた」のあらすじと結末でした。
野畑製薬と七瀬と松岡くんのその後…新たな展開…何時かみて観たいﾃﾞｽ。