宮本から君への紹介:2019年日本映画。人一倍正義感が強いが愚直で暑苦しい営業マン・宮本が自立した女と恋に落ちるが、二人を試練が待ち受けていた。1990年に連載開始した原作漫画の作者・新井英樹も宮本の父の役で出演。『ディストラクション・ベイビーズ』の真利子哲也が、全12話のテレビドラマ「宮本から君へ」に続いて監督を務めた。主演の池松壮亮にとって22歳で原作に出会って以来強い思い入れのある企画。マンション8階の外に張り出した非常階段で撮影された生々しい決闘シーンは必見。
監督:真利子哲也 出演者:池松壮亮(宮本浩)、蒼井優(中野靖子)、井浦新(風間裕二)、一ノ瀬ワタル(馬淵拓馬)、古舘寛治(岡崎部長)、ピエール瀧(馬淵敬三)、佐藤二朗(大野平八郎)、松山ケンイチ(神保和男)ほか
映画「宮本から君へ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「宮本から君へ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
宮本から君への予告編 動画
映画「宮本から君へ」解説
この解説記事には映画「宮本から君へ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
宮本から君へのネタバレあらすじ:起・中野靖子は俺が守る
文具メーカー、マルキタの営業マン宮本浩(池松壮亮)は、喧嘩をして前歯を折り、腕にギプスをするケガをして、相手にも全治2か月のケガをさせた。これから結婚して子供ができるというのに、そんなことでやっていけるのかと、岡崎部長(古舘寛治)にしぼられる。
宮本は婚約者の中野靖子(蒼井優)を両親に初めて紹介するが、「この娘と結婚するから」という言い方を母親にとがめられる。靖子が妊娠していることを息子がちゃんと話さないのも母親は気に入らない。だが、宮本には二人のなりそめを話しづらい理由があった。
靖子は、マルキタを辞めて独立した、宮本の先輩・神保和男(松山ケンイチ)の仲間だった。ある晩、靖子に招かれて彼女の部屋で宮本が食事をしているところに、靖子の彼氏だった風間裕二(井浦新)が現れる。宮本は帰ろうとするが、「宮本と何度もやった」と嘘をついた靖子を、裕二が殴るのを見て「中野靖子は俺が守る」と叫んでしまう。
裕二が去った後、靖子は裕二と切れるために宮本を利用したことを詫びるが、靖子を守るという宮本の気持ちは本気だった。靖子は裕二の匂いのついた布団を外へ投げ捨て、宮本と激しく体を重ねる。翌朝、昨夜死んでしまった金魚を土に埋めながら、宮本と靖子は束の間の幸福を味わう。
宮本から君へのネタバレあらすじ:承・レイプ
靖子は宮本を海に近い町で電器店を営む実家に連れていく。宮本は歓迎されるが、靖子の父は娘が既に妊娠していることが気に入らなかった。
宮本は営業先の泉谷建設・馬淵部長(ピエール瀧)、彼の親友の太陽製菓・大野部長(佐藤二朗)に気に入られ、彼らの飲み会に参加することになり、恋人になった靖子も呼ばれた。居酒屋で彼らのラグビー仲間に紹介され、宮本も彼らのチームの新人にされてしまう。そして調子に乗って日本酒の一升瓶をラッパ飲みして酔いつぶれてしまう。宮本と靖子を自動車で送らせるために大野が馬淵の息子の拓馬(一ノ瀬ワタル)を呼び寄せる。拓馬は大学ラグビー界で大いにならした巨漢だった。
最初は好青年と思われた拓馬が、靖子の部屋で泥酔した宮本が寝込んでいるうちに靖子をレイプしてしまう。翌朝、目覚めた宮本は公園で靖子を見つける。靖子はレイプされたことを話し、声を絞って宮本に、「あんたは眠っていたから何も悪くない、でもあんたが憎い、あんたとは終わり」と言う。宮本は納得できない。一人拓馬への復讐の決意を固める。
宮本から君へのネタバレあらすじ:転・プロポーズ
馬淵や大野のラグビーの試合に、集合時間に遅れて現れた拓馬を宮本は追いかけ、戦いを挑むが前歯を三本折られてのびてしまう。息子とのコミュニケーションに苦しむ馬淵は喫茶店に宮本を呼ぶ。馬淵と大野に喧嘩の真相を問われるが、宮本は答えない。これは彼と拓馬との間の問題だった。そして拓馬との再戦に備えて体を鍛える。
一方、病院に行った靖子は、レイプによる異常はないことがわかったが、妊娠していると言われる。事件以来、靖子から遠ざけられていた宮本は、マルキタに彼に会いに来た裕二から、靖子の妊娠のことを教えられる。「父親は俺かお前だ、靖子には堕胎するように勧めた」と言う裕二の股間を蹴飛ばして宮本は会社を飛び出し、靖子の会社に行く。
宮本は靖子の同僚たちの目の前で靖子に結婚を申し込む。だが、靖子は宮本を、「あんたはいつも自分のことばかり考えている」と責め、求婚を拒絶し、子供は一人で生んで一人で育てるときっぱり言うのだった。
宮本から君への結末:決闘
馬淵は息子に靖子とのことを問いただし、喧嘩になり病院送りになる。病室に呼ばれた宮本は馬淵をののしるが、馬淵は息子が女友達といる住所を教える。宮本が訪れても拓馬は部屋から出なかったが、宮本は朝まで拓馬が出てくるのを待つ。
朝になって非常階段で決闘が始まる。体力に劣る宮本は拓馬に歯が立たず、指の骨を折られてしまうが、拓馬の股間を攻撃して形成を逆転し、ついに勝利の雄叫びを上げる。
血まみれの宮本は自転車に乗せて拓馬を靖子の部屋の前まで運び、自分が勝ったことを報告し、改めて俺と結婚しろと言う。自分が頼みもしない喧嘩をして勝手なことを言う宮本に靖子は怒る。しかし、一人で世界を敵に回す宮本を、彼女は愛していた。
やがて二人は結婚する。雪の降る日、宮本は裕二に、宮本の前歯の差し歯の費用のため靖子が借りた金を返却し終わる。
そして春、一度家を出た宮本が気になって家に戻ると、靖子が陣痛に苦しんでいた。心配のあまり、「自分の命をかけても妻と子供を助けてください」と大げさな頼みをする宮本を残して、救急車は靖子を運んで行った。
以上、映画「宮本から君へ」のあらすじと結末でした。
男の人の目線で(しかも昭和)描かれている。女性の気持ちも想像でしかない描き方。けんかは男性にしかできないとつくづく思いました。