雷桜の紹介:2010年日本映画。「雷桜」は日本版「ロミオとジュリエット」として、身分違いの恋模様をテーマにした時代劇です。音楽と景色は素晴らしく、映像の美しさがあります。ロミオ役が岡田将生で、ジュリエット役が蒼井優です。2人ともみずみずしい演義で、作品を盛り上げています。男性の方が徳川家斉の息子で、女性は人里離れた村で暮らす娘です。最初は愛のない寂しい心を持った男性が、純粋な女性に出会うことで心を開き、愛や恋に目覚める過程が美しく描かれています。
監督:廣木隆一 出演:岡田将生(清水斉道)、蒼井優(雷/遊)、小出恵介(瀬田助次郎)、宮崎美子(たえ)、和田聰宏(瀬田助太郎)、須藤理彩(お初)、高良健吾(友蔵)、ほか
映画「雷桜」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「雷桜」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
雷桜の予告編 動画
映画「雷桜」解説
この解説記事には映画「雷桜」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
雷桜のネタバレあらすじ:心の病を患った殿
清水斉道(岡田将生)は徳川家斉(坂東三津五郎)の息子でしたが、幼少の頃から母親の愛情を受けずに育ったせいで、心の病を持ち気性が荒く、側用人をすぐに手にかけようとするような手に負えない殿様でした。噂は広まり、父親の家斉さえ斉道を疎ましく思うようになります。そんな斉道を守るべく家来の瀬田(小出恵介)や榎戸(柄本明)は奮闘しますが、斉道の心は閉ざされたままでした。彼らと馬に乗り山道を通っていた斉道は、何もかも嫌になり馬に乗って駆け出して行きます。広い野原に着いた斉道は大の字になって眠ります。
雷桜のネタバレあらすじ:雷との出会い
大の字になった斉道を一匹の馬がまたがります。無礼者とその馬に乗っていた者を襲う斉道ですが、その者が女性であることにびっくりします。しかもとても強く、彼は気を失ってしまいます。女性は近くの村人の娘で雷(蒼井優)と言いました。気を失った斉道を雷は水を飲ませて助けます。斉道はその娘の美しさに心を奪われて思わず抱きしめます。雷はびっくりし、その場を後にしますが、雷も斉道のことが気になります。
雷桜のネタバレあらすじ:雷と言う名前
彼女のことが忘れられないのと、村に出るという天狗の噂を聞きつけ、また山へ入ります。天狗と呼ばれるのは、雷の育ての親である理右衛門(時任三郎)でした。山へ入った斉道を理右衛門は殺そうとしますが、雷がかばい斉道を逃します。屋敷へ戻った斉道は、瀬田に事の顛末を話します。その天狗と一緒だった娘は自分の妹ではないかと言います。家に帰った雷は父親になぜ、山へ入ってくる外者を殺そうとするのか問い詰めます。すると父親から衝撃の告白を受けます。実は雷は庄屋の娘の遊で、赤ん坊の時に理右衛門に誘拐されたと言います。理右衛門は仕事のことで庄屋である遊の実の父を恨んでおり、赤ん坊を誘拐して殺そうとしますが、その時、側の木に雷が落ちたと言います。この子を殺してはならないという神様からのお告げだと思った理右衛門は遊に「雷」と名付けて山奥で育てていたのでした。衝撃の告白を受けて家を飛び出した雷でしたが、再び家に戻ると家は燃えており、育ての父親は姿を消していました。
雷桜のネタバレあらすじ:帰ってきた遊
行き場所を失った遊は瀬田の実家である庄屋の家に戻る帰ってきます。しかし山奥で生活していた遊は庄屋の家に馴染むことができません。そんな折、娘が瀬田の家に帰ったという話を聞き、斉道はお供を伴って瀬田の家を訪れます。殿のおかげで妹が帰ってきたと、瀬田の家の者は感謝の意を表しますが、遊からは生活を変えさせられたと恨み節を聞かされます。変わった娘だと、ますます遊に興味を持ちますが、遊はそっけない態度を取ります。ある日、瀬田から「母親の愛」についての説法を聞かされた斉道は、かんに障り怒り狂い、瀬田を殺そうとします。そんな乱心の斉道を馬に乗った遊が山へと誘います。
雷桜のネタバレあらすじ:恋に落ちた2人
斉道は遊と一緒に山へ出ると不思議と怒りや寂しさが和らぐのでした。2人は度々山へと出かけるようになります。やがて2人は恋に落ちます。しかし斉道は、紀州徳川家の養子になることが決まってしまいます。別れのとき、村で祭りが行われます。お面を被りながらも、斉道への気持ちを遊は彼に伝えます。2人は一夜限りの契りを結びます。遊を愛している斉道は2人で逃げることを考えます。遊の作った山小屋を訪れた斉道ですが、斉道と遊の存在を邪魔に思う者たちの奇襲を受けます。その時、姿を消していた育ての父親である理右衛門が2人を助けます。実は姿を消してからも遊を見守っていたのでした。しかしそのために理右衛門は亡くなってしまいます。2人は斉道の家来達に助けられます。
雷桜の結末:永遠の別れ
遊と生きたいという斉道を、榎戸は自らの腹を切り斉道を止めます。紀州入りを断れば自分の家来たちの命が危なくなることを知り、斉道は遊と生きることを断念します。斉道は引き裂かれる気持ちを抱えたまま紀州へと旅立ってしまいます。時は経ち、紀州で斉道は病に倒れてしまいます。斉道は瀬田に障子を開けて桜を見せてくれと頼みます。その桜を見て遊を思いながら亡くなってしまいます。瀬田は自分の故郷へ帰ります。その道すがら、斉道にそっくりの青年に会います。その青年は斉道と遊の子供でした。青年に案内されると、そこには桜の下で母親となった遊がいたのでした。
以上、「雷桜」のあらすじと結末でした。
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