旅猫リポートの紹介:2018年日本映画。有川浩のベストセラー小説『旅猫リポート』を福士蒼汰主演で映画化。猫好きな青年・悟は交通事故に遭った野良猫のナナを助けて、仲良く楽しく一緒に暮らしていました。ところがある事情でナナを飼うことができなくなり、大切に飼ってくれる人を探す旅に出かけます。旅をしながら、これまで悟と出会ってきた人たちへの優しさや友情を感じる暖かくてほのぼのとする、そして切なくなるストーリーです。ナナ役演じる猫の種類はセルカークレックスです。
監督:三木康一郎 出演:福士蒼汰(宮脇悟)、トム(猫のナナ)、高畑充希(猫ナナの声)、広瀬アリス(杉千佳子)、大野拓朗(杉修介)、山本涼介(澤田幸介)、前野朋哉(吉峯大吾 / 虎丸の声)、田口翔大(小学生の宮脇悟)、二宮慶多(小学生の澤田幸介)、中村靖日(五十嵐)、橋本じゅん(宮脇健悟)、木村多江(宮脇和子)、田中壮太郎(幸介の父)、笛木優子(幸介の母)、竹内結子(香島法子)、ほか
映画「旅猫リポート」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「旅猫リポート」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
旅猫リポートの予告編 動画
映画「旅猫リポート」解説
この解説記事には映画「旅猫リポート」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
旅猫リポートのネタバレあらすじ1.悟と猫との出会い
心の優しい宮脇悟(田口翔大)は、親友の澤田幸介(二宮慶多)ととても仲良くしていました。ある日、二人は小さな野良猫を見つけて飼おうとします。幸介が家に連れて帰ると、家族の大反対にあいます。悟は屋上から身を乗り出して幸介の気持ちを代弁するのですが、二人で話しているうちに悟が飼えばいいのではとなり、悟が自分の親を屋上から説得します。すると悟の両親は飛び降りたら大変だと言って野良猫を飼うことになりました。野良猫は「ハチ」と名付けられ、悟の家族に迎えられて楽しく一緒に暮らすようになりました。
悟は六年生になり、修学旅行の準備を母に任せきりにして、ゲームをしていました。それを見た父が悟に注意すると親子喧嘩になります。父が悟に『お母さんにお土産を買って帰ると仲直りできるよ』とアドバイスします。『お父さんもお母さんと喧嘩した時は、京都なら「ようじやのあぶらとり紙」を買って帰ったらとっても喜んでくれたよ』と。
いよいよ修学旅行となり、幸介と買い物をしますが肝心の店の名前が思い出せなくなってしまいます。たくさんのお土産を見ていると、ハチに似た可愛い猫のキーホルダーがあったので、それを買います。お土産屋さんでウロウロしていると、悟は先生に呼ばれて「先に帰りますよ。理由は後から。」と言われ、修学旅行の途中にもかかわらず、なぜか他の生徒より先に帰ってしまいました。
幸介は悟が修学旅行の途中で帰ったので、お土産が買えなかった悟のために、ようじやのあぶらとり紙を探して買って帰ります。修学旅行から帰ると、悟の両親が交通事故で亡くなったことを知り、幸介は両親と一緒にお葬式に行きます。悟はじっと黙って座っていました。幸介は悟が買えなかった、ようじやのあぶらとり紙を渡します。悟は受け取ったとたんに大声で泣き出します。親戚も無表情だった悟が泣いたのを見て、ほっとしたようでした。
その後、悟をどうするのか親戚が話し合いますが、誰も引き取るという人はなく、施設に…と言っていると、悟の母の妹・法子(竹内結子)が名乗り出ます。周りは『結婚もしてないのに』と反対しますが、他には誰もいなかったため、法子叔母さんの所へ引き取られることになりました。
悟は『ハチも連れていきたい、ハチは家族なんだ』と言ってアルバムを見せます。でも、法子叔母さんは『判事で転勤が多いのでハチは飼えない』と言います。そしてハチは遠い親戚のいる高松へ行くことになり、離ればなれになってしまいます。法子叔母さんは転勤族のため悟は猫を飼うことができなかったが、野良猫に餌をやったりして、猫とは触れ合いながら過ごしていました。
旅猫リポートのネタバレあらすじ2.ナナとの出会い、飼えなくなる事情
ある日、会社員の悟(福士蒼汰)は交通事故に遭った猫を助けます。悟にとっては初めての野良猫『ナナ』との出会いでしたが、ナナは時々餌をもらっていたので、事故に遭ったときも悟に助けて欲しいと、悟のことを思い出していました。それから、ナナとの生活が始まりました。ハチと姿や雰囲気がとても似ていました。
悟はナナとずっと一緒にいられると思っていたのですが、悟の身体に腫瘍が見つかり、一緒にいることが叶わなくなりました。そこで、自分が亡くなったあとも大切に飼ってくれる人を見つけるため、旅に出ることにしました。幸い、飼いたいと言ってくれる人は何人かいたので、お見合いをすることにしました。
小学校の時に仲の良かった幸介(山本涼介)はすでに結婚して家業の写真屋を継いでいました。しかし、お嫁さんは実家に帰っていました。そこで幸介はナナをだしにして、仲直りしようと考えていました。『子どもの頃は親にハチを飼うのを反対されて、悟の力になれなかった。今でも反抗できない。妊娠しても流産だった。実は嫁姑で揉めている。いまだに親に強く言うことができない』と。そんな状況を聞いた悟は『飼うにしても、新しい猫の方がいいのでは』と言って他をあたることにしました。
肝心のナナも、ゲージから出て来ませんでした。しかし、幸介はこのあと悟と昔話をすると、自分がナナを利用して仲直りしようと考えたことを恥ずかしく思いました。勇気を出して行動しないといけないことに気づいて、お嫁さんにきちんと話をして、親にもきちんと納得してもらえるように話すようにしました。その後、幸介から、お嫁さんとも仲直りできて、新しい猫を飼うことになったと連絡がありました。
中学時代の友人・大吾(前野朋哉)からも電話があったのですが、ナナを飼うつもりにしていたが、子猫を拾ったので今回は無理になったとのことでした。
旅猫リポートのネタバレあらすじ3.ナナの新しい飼い主を探す旅
次は高校時代の友人、杉(大野拓朗)と千佳子(広瀬アリス)の所に行きます。二人は結婚して、猫もOKのペンションを経営していました。
ここで高校時代を回想します。
杉と千佳子は幼なじみで、そこに悟が転校してきていつも一緒に過ごしていました。学校の帰り道、犬が泳げなくて困っているのを三人が見つけて助けてあげました。ちょうどテスト期間中ということもあって担任に叱られるのですが、千佳子は命の方が大事だと言います。そこで千佳子が犬や猫が好きなことを知ります。悟と千佳子はお互いに好意を持っていたのですが、この出来事をきっかけにさらに親しくなっていきます。
その後、夏休みにハチに会いに高松へ行こうと思い、バイトをすることにします。そこで千佳子が人手がいるからと言って、自分のところのバイトを紹介してくれました。杉と千佳子と悟と、楽しく千佳子のところでバイトしていたのですが、その日、悟は遅れてバイトに行きました。顔色も悪く、どうしたのか千佳子が心配して聞くと「もうバイトする必要がなくなった。」と悟は言います。「なんで?」って聞くと「もう高松いく必要ないから」と、ハチが死んだことを伝えるのでした。そう言うと「ダメ。きちんとお別れしないと。」と千佳子に言われます。
そこで、悟は夏休みの終わりにハチに会いに高松に行き、その帰りに京都に寄って、二人のためにお土産を買います。杉には讃岐うどんを、千佳子にはようじやのあぶらとり紙を。二人はとても喜んでくれました。杉は『悟が旅行に行っている間に千佳子を映画に誘った、好きなんだ』と言います。悟は杉の気持ちも知っていたので「もうすぐ転勤があるから。卒業までいないし。遠距離は大変だから。」と言って身を引きます。
ここで回想が終わります。
悟がペンションに着くと、そこには虎丸という犬がいました。綺麗な美人の猫・モモもいました。ナナとモモは楽しく過ごせそうだったのですが、虎丸とナナは相性が合わなかったようです。そして虎丸は、悟から生命が短い臭いがする、と思っていたようでした。悟はナナの新しい飼い主を探しながらも、今回も空振りに終わりました。
帰りに悟は『高校の時、千佳子が好きだったんだ』と二人の前で言います。なんだかとても清々しい空気が流れて、悟はペンションを離れていきます。ナナは初めから、悟と別れて暮らす気持ちはさらさらなかったので、意気揚々としていました。
旅猫リポートのネタバレあらすじ4.猫も家族の一員
飼い主は見つからないまま、今度はフェリーに乗って九州に行きます。広くて大きな海や、綺麗な菜の花畑を見ながら、ナナと楽しく過ごします。ちょっと目を離した隙にナナがいなくなり、悟は焦って必死で探します。ほんの数分でしたが、この時、どんなにナナが大事な猫かということを悟は感じました。
九州に着くと、悟の両親のお墓参りに行きました。そこで両親に、ハチによく似たナナを紹介します。そしてハチがどんなにいい猫だったかを思い出します。家族で誰かが喧嘩したときは負けた方にくっついて、慰めてくれていました。猫のハチは家族の一員でした。家族といつも一緒に過ごしていたハチを思い出していました。ふと空を見上げると、虹がかかっていました。
その後、法子叔母さんの家に行きました。法子叔母さんは転勤の多い判事を辞めて、ナナと悟のために法律事務所に転職していました。
旅猫リポートの結末
悟の体は悪性腫瘍に蝕まれており、医者から余命1年と宣告を受けていました。病院に入院するため、ナナを飼えなくなってしまいました。結局ナナは、悟のいない家にいるよりも野良猫に戻って、外で会える方がいいと思ったのかもしれません。ナナは野良猫に戻りました。時々、悟は看護士さんと海を見に行きます。すると野良猫になったナナがいつも出てきます。
悟の両親には実は子供がいませんでした。法子叔母さんが受け持っていた判事の仕事で、子供を育児放棄した親がおり、その子供が悟だったのです。法子叔母さんは悟を引き取った後すぐに、両親と悟は血の繋がりがないことを打ち明けました。しかし、その事を後悔していました。
しかし悟は『そんなことを一度も疑ったことが無かったし、とっても両親に愛されていたし、友達にも恵まれて、周りがいつもいい人たちばかりだった、ナナと過ごせて楽しかった』と言います。
悟が息を引き取る時、傍でナナが見守ってくれていました。
それから1年後、法子叔母さんは悟の法事をしていました。そこには悟の友人達が集まり、猫と悟の話をしてとても盛り上がっていました。悟はとても良い人柄だったので、付き合ってきた人も皆、とても素敵ないい人たちばかりでした。
以上、映画「旅猫リポート」のあらすじと結末でした。
「旅猫リポート」感想・レビュー
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いやー最後のナナが悟のいる病院に向かうシーンは暖かい曲に包まれた素晴らしい場面でしたね!もう涙ボロボロで今でも思い出すだけでジーンとなります
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主演は福士蒼汰さんです。
福士蒼汰さん演じる悟が自分が飼っていた野良猫のナナを飼ってくれる人を探す旅に出るという話です。
実は悟は余命1年という難病を抱えているんです。
銀色のワゴンに乗った悟とナナは、まるで自分の人生をたどっていくような旅を続けます。
不幸続きの人生で、最後は余命宣告までされているのに、明るくて優しくて穏やかな好青年。
ネコちゃんのナナの声は高畑充希さんなんですが、素晴らしいです。
そしてナナも名演技をするんです。
立派に演じちゃっています。
最後の病院でのナナと悟のシーン。
涙が止まらないというか号泣です。
こんな悲しい別れってあるんでしょうか。
ぜひ観て欲しい映画です。 -
いいお話だつた
猫は大好きです。本当に猫は人を繋いでくれると思っています。この映画を観ると、悟も悟のことが大好きだったナナも新しい飼い主を探す旅をしながら本当は懐かしい人たちに会ってまるで最後の思い出を思い出を作っているようです。猫のけなげな愛らしさと悟役の福士蒼汰さんの動物に対する優しいまなざしが微笑ましくそして泣けてきます。我が家の猫さんを抱きしめたくなりました。福士さん好きの方々や純粋な猫好きにはたまらない映画です。