打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?の紹介:2017年日本映画。アニメ版の本作は現代風のアレンジを取り入れ再構築されている。元々は「If もしも」というテレビドラマで企画され、1995年に「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」というタイトルで実写映画化された作品。ある海辺の町の夏休み、中学生の男女が主人公で、時間が巻き戻され、1日が何度も繰り返される様子を描く。
監督:新房昭之、武内宣之 声優:広瀬すず(及川なずな)、菅田将暉(島田典道)、宮野真守(安曇祐介)、浅沼晋太郎(純一)、豊永利行(和弘)、梶裕貴(稔)、ほか
映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(アニメ版)の予告編 動画
映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」解説
この解説記事には映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(アニメ版)のネタバレあらすじ:起
海の中にいるスクール水着を着た典道となずな。典道は思います。「もし、あの時、水泳で俺が勝っていたら・・・」典道は茂下町在住のごく普通の中学生でした。夏休みの登校日に地元で開催される花火大会と夏祭りが開催される日が近づいていました。クラスで一番美人の同級生の女子、及川なずな。典道は「好き」とは言えなくても彼女に一目惚れしていました。典道のクラスメイトで親友の祐介は、プール掃除の当番で、学校のプールサイドへ向かいます。なずなが水着を着て泳がず横たえて目を閉じています。「泳ぐの?」と典道が聞くと、「泳がない」と答えるなずな。「泳がないのになんでそんなことしてるの?」と尋ねると、「なんででしょう?」とふざけて濁すなぎさ。思春期の男の子の心が揺らぐ典道。ふと、なずなの頬にトンボが止まり、「取って」と言われ、ドキドキする典道。典道は祐介と賭けをします。「あたしが勝ったらなんでも言う事聞いて」と言うなずな。典道が勝ったら、祐介に某人気アニメのコミックを買う、祐介が勝ったら、なずなに告白する・・・。そんな他愛ない約束の筈でした。
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(アニメ版)のネタバレあらすじ:承
自分名前が話題になっていることに気付き、「私もやる!」突然そう言ったなずな。彼女も参加し、三人はプールに飛び込んでクロールで泳ぎ対決します。不意に、プールで風鈴のような玉を拾う典道。典道は泳いでいる途中で怪我をし、なずなが一着、二着は祐介でした。なずなは祐介を花火大会に唐突に誘います。放課後、男子たちは打ち上げ花火は丸いか平べったいかで言い争いをしていて、なずなはそんな彼らを冷たい目で見て帰宅します。なずなは帰宅後に母と彼女の再婚相手に会いますが、なずなは再婚相手に母から挨拶をしろと言われたにも関わらず、無視して彼が気を遣って買ってきたケーキを手に取って部屋に持っていくのでした。母親と再婚相手は自分達の都合に振り回し、なずなの転校の手続きも済ませていました。再婚相手は、なずなが友達と別れるのがつらいだろうと言いますが、母はなずなには友達も恋人もいないのだから転校しても寂しくはないだろうと再婚相手に言います。娘の思いに気付いていない自己中心的な母に振り回されてきたなずなは、複雑な心境を心に隠してお祭り兼花火大会へ向かう身支度と共にある決断をするのです。「花火って横から見ると丸いと思う?平べったいと思う?」10代の子どもの素朴な疑問です。典道、祐介、クラスメイトの純一と稔、和弘で花火を横から灯台に行って見る約束をします。しかし、祐介は典道がなずなに少し片思いしているのを察していて、彼もまた、なずなに想いを寄せていましたが、なずなからの誘いを敢えて断ろうとします。典道は勝手に家に上がり込んだ祐介と5時までテレビゲームをしていました。祐介はなずなと2人で行くのが気まずく、和弘達と典道で後ほど花火を見に行こうと考えを巡らせていたのです。典道は足を怪我したので、祐介の勧めもあり、彼の父が営む個人医院へ行きます。祐介はその際、典道に、なずなが来たら典道は行けなくなったと伝えてほしいと伝言します。そこで、祐介と約束していたなずながすれ違いでその医院を訪れました。典道は祐介の父の息子への愛情の希薄さを知ります。看護師が典道の怪我を治している時、祐介の父は典道の怪我を診た後で、自宅用のゴルフのミニゲームをしながら、「あの子は私立に行けばよかったんだ・・・何が花火大会だ」と愚痴を零したからです。祐介に5時に迎えに行くとプールサイドで伝えていたからです。なずなは祐介が来ない事を知って「そう・・・」と病院を出て歩き始めます。なずなと祐介は外に出た時、なずなの母が彼女を強引に連れ戻します。なずなはいつもクラスで大人しいのに対し、泣き叫んで抵抗します。母親の再婚相手を極度に嫌がる彼女・・・思春期ならよくある事ですが、なずなの抵抗ぶりは異常でした。 「助けて!典道くん!」典道の傍を母に無理やり手を引かれて涙ながらに訴えたなずなのことを典道はどうしたらいいか分からず、立ち尽くしてしまいました。祐介達が到着し、なずなが母に手を引っ張られて泣き叫ぶ姿に異様さを感じた事を典道に伝えます。典道は突発的に祐介を殴ってしまいました。その後、なずなと花火大会に行けなかった複雑な気持ちから、なずなが持っていた不思議な風鈴のような玉を投げます。すると。プール対決をしていたあの時に時間が巻き戻されたのでした。
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(アニメ版)のネタバレあらすじ:転
なずなが典道を花火大会に誘っています。教室ではまたしてもクラスメイト達が打ち上げ花火を横から見たら平べったいか討論していました。典道はその場で彼らと花火を見に行く約束をします。前の一日と同じ流れを繰り返していることに気付きます。典道の家。彼の両親は出かける為に不在です。祐介があの時と同じく、典道の家に上がり込んでゲームをしています。典道はなずなに断る練習をしますが、なずなは典道の家の前まで来てしまっていました。祐介にばれないようになずなを自転車に乗せて連れて行く典道。2人は自転車で特に明確な目的なく、駅へ向かいました。駅のホームにて、なずなは家出するためにバスケットに最低限の荷物を持ってきていました。なずなは「2人で駆け落ちしよう」と未熟さゆえの無防備な提案をします。その後、駅のトイレで浴衣から白いワンピースに着替えながら、なずなは「年齢をごまかして水商売をすれば2人で暮らせる」と無茶苦茶な事を言い出して典道を戸惑わせました。二人が電車に乗ろうとした時、なずなの母と再婚相手がやって来て、嫌がるなずなを無理やり連れ帰ろうとします。なずなは激しく再び抵抗し、典道はなずなの母の再婚相手に立ち向かいますが、殴りつけられ、再び、なずなを救えなかったのでした。祐介達と灯台へ向かった典道は今いる現実世界が現実でない事に気付き、「もし、なずなと電車に乗れていたら・・・!」ともう一度想いを込めて玉を投げました。次に時間が巻き戻されたのは、電車が到着する前でした。典道はなずなの父に殴りつけられそうになった際に身を交わしてその攻撃を防ぐと、なずなの手を引いて電車に乗り込みました。なずなは家庭環境を典道に伝えます。彼女は母親が最初に浮気をした男性との間に生まれた娘で、父親はなずなをある日の夜、海へ背中に背負って連れて行き、娘を残して無理心中をしたのです。なずなは助かりましたが、父は死亡し、なずなには父が形見として残したあの玉があったのです。なずなはあの不思議な玉を大事に持っていたのでした。電車に乗っている途中で、祐介達やなずなの母と再婚相手に気付かれますが、2人は次の駅で見つかってはまずいと灯台へ向かう事にしました。なずなは昔、母がよくカラオケで歌っていた「瑠璃色の地球」をアイドル気分で歌います。もしも、水商売でなく芸能界に入れたらな・・・と零して。なずなにとって、母との唯一の優しい記憶なのかもしれません。灯台に到着して花火を見る2人はダンスをして束の間のひとときを得ますが、祐介達に見つかり、祐介はなずなを好きな気持ちから嫉妬心と突発的な行動で、典道に突っかかり、彼となずなを灯台から突き落としてしまいます。
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(アニメ版)の結末
水の中で典道は願います。「もしもこのままなずなと一緒にいられたら・・・」三度目の時間がループし、なずなの家族や祐介達に見つかることなく、電車は水の上を走っていきます。世界は仮想世界なのか現実なのか曖昧で、奇妙に空が歪んでいました。2人は最初に乗った駅に着きました。「もしも典道君が元の世界に戻してと望んだらどうなるかな?」となずなは呟きます。典道は一瞬考えますが、それを拒否します。2人は海岸のはずれにある海へ向かい、「ねぇ、泳ぎたくない?」と言ったなずなは海へ飛び込みます。典道は慌てて追いかけ、心配しますが、なずなは水の中から顔を出します。その時、持っていた玉は、酔っ払いの花火師によって打ち上げられてました。打ち上げられた花火は宝石の欠片となり、「もしも典道となずながもっと遠くへ出かけて一緒にデートをしたら・・・」のような数々の2人がデートをする場面や、これまでの2人の記憶が散らばっていきます。典道は海の中でなずなと抱き合い、キスをします。なずなは「次に会えるのはどんな世界かな?楽しみだね」と言って浜辺へ向かって泳いでいき、典道はその様子をぼおっと見つめるのでした。時が変わって本当の現代へ・・・。典道の学校では担任の先生が生徒の出席を取っていますが、なぜか典道となずなの席は空席でした。なずなは引っ越したのか名前を呼ばれず、いるはずの典道の名前を呼ぶ担任教師というかたちで物語は幕を閉じます。
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」感想・レビュー
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終盤、なずなの出生の話のあとなずなと父親の描写その後の父親の死、手には玉の存在?実は死んだのは父親だけではなくなずなも道連れの死!最後に父親はもし、もしなずなが生きていたらと言う願いを託した後の話の映画では?玉を拾ったのはなずななのに使うのは典道、死んでるなずなが使えないから典道が使う、典道の都合良く願いを叶えてるようだが逆でなずなの願いが叶う話になっている。ラストはなずなの名前は呼ばれず席はあるがこれはよくある死んだ方の席はそのままっていう設定、典道が呼ばれても居なかったのはきっと最後のもしもの願いでなずなと一緒に居たいと願ったのでしょう、死んでるなずなと、、、何も知らないクラスメートは典道がもうこの世に居ないとも知らず夏休み明けの普通の学校に戻ってのエンディングでは、
簡単に言えば「時をかける少女」のようなタイムリープ物で、ドラえもんの「もしもボックス」を手に入れた主人公の少年・典道が行ったアレコレという感じです。アニメ映画作品ながら、脚本は「モテキ」「バクマン」「ハロー張りネズミ」の大根仁。そのため、いかにもアニメという展開ではありません。むしろ実写映画っぽくもあり、それでいてアニメ作品でこそ表現できるイメージを実現しています。アニメだからという先入観を取り外して、実写好きの方にも観ていただきたい良作です。