SUNNY 強い気持ち・強い愛の紹介:2018年日本映画。韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』のリメイク版で舞台を日本に移して描かれる。サラリーマンの夫と高校生の娘を持つアラフォー主婦の奈美は平凡だが幸せな日々を過ごしていた。そんなある日、母が入院して病院へ。その帰りに同じ病院では高校時代に仲の良かった友人も入院していた。奈美は余命一ヶ月の友人 芹香から昔の仲間に会いたいと言われて探すことに。しかし、20年も前のことでなかなか消息がわからず、状況もずいぶん変わってしまっていた。果たして芹香が生きている間に6人の仲間全員に会わせてあげることができるのでしょうか?
監督:大根仁 キャスト:篠原涼子(奈美/現在)、小池栄子(裕子/現在)、ともさかりえ(心/現在)、渡辺直美(梅/現在)、板谷由夏(芹香/現在)、広瀬すず(奈美/90年代)、池田エライザ(奈々/90年代)、山本舞香(芹香/90年代)、野田美桜(裕子/90年代)、田辺桃子(心/90年代)、富田望生(梅/90年代)、三浦春馬(藤井渉)、リリー・フランキー(中川)、ほか
映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
SUNNY 強い気持ち・強い愛の予告編 動画
映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」解説
この解説記事には映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
SUNNY 強い気持ち・強い愛のネタバレあらすじ:1
サラリーマンの夫と高校生の娘を持つアラフォー主婦の奈美(篠原涼子)は、平凡だが幸せな日々を過ごしていました。最近は母が入院して病院通いをしていましたが、たまたま病院の帰りに他の部屋から若い人の泣き叫ぶ声が響いてきて、びっくりして部屋をのぞきこむと、何人もの看護師さんが、暴れるのを押さえて止めているのを見ました。
誰だろうと部屋のネームプレートを見ると高校時代の同級生の名前が…。気になったので翌日、母の見舞いの帰りに覗いてみると誰もいない。でもそこには入院中でも、仕事ができるようにパソコンが置いてあり、なにかの会社を経営しているキャリアウーマンらしく、スタッフの写真も机にたくさん並べられてありました。部屋に入ってしばらくすると二十年ぶりに会う友人 芹香(板谷由夏)が戻ってきました。
芹香は奈美を見ると、とても懐かしがって奈美の近況を聞いた後に、今度は自分が結婚もしていない、夫も恋人も子どももいないことを話しました。そして、あっけらかんとイケメンの主治医に余命一ヶ月宣告をされたことも打ち明けました。芹香はしっかりした姉御肌タイプでどんどん何でも引き受けて、物怖じせずに何でもハキハキしゃべる性格だったのだが、今もそれは同じでその後もどんどんしゃべって奈美はほとんど聞き役で、それも学生の頃と同じだった。
高校生の頃には「サニー」という6人のメンバー(奈美、芹香、心、奈々、裕子、梅)がいて、いつも一緒に遊んでいました。家に遊びにも行っていました。心を許せる楽しいメンバーだったのです。しかし、卒業してからというものそれっきりになってしまい、誰にも会っていませんでした。そこで芹香は、死ぬ前にどうしてもサニーのメンバーに会いたいので探してほしいと、奈美に頼みます。大人しい奈美はわかったといい、探すのを引き受けました。
その日の病院帰りに夫から電話があり、1ヶ月の海外出張が決まったと連絡を受けます。ちょうど1ヶ月の猶予しかないので奈美は夫のいないこの1ヶ月で必死に探すことを決意します。何しろ20年も前の話で、今は音信不通。連絡先も全くわからないので、まずは高校に行ってみました。
SUNNY 強い気持ち・強い愛のネタバレあらすじ:2
早速、高校に行くと懐かしい先生がいて、時々、梅(渡辺直美)は学校に来ることを聞きました。奈美は連絡を取るが、梅は高校時代に太っていたがさらに太くなっていた。また、夫がギャンブル依存症のために働かなくてはならないが、会社はブラック企業で不動産の営業を担当しているのだが、仕事が取れず会社でも落ちこぼれだった。
梅は奈美と一緒に芹香のところに行き、事情を知ると、探すのを協力してくれることになった。二人で探すのだが、なかなか分からないので、奈美がお金を出して興信所に当時の写真を持って依頼することにした。
しばらくすると探偵の中川(リリー・フランキー)から裕子(小池栄子)が見つかったと連絡を受け、会いに行くと、プライドの高い見栄っ張りな裕子らしく、美容整形外科医のセレブ妻になっていた。胸もマイナス2カップといわれるくらいの貧乳だったのに、今は整形したのか大きくなっていた。裕子は奈美と梅に会っても不機嫌だった。というのも興信所で自分の事や素行の悪かった過去がダダ漏れになっていることを知ったからである。
また、自分も興信所では旦那の浮気のことを調べてもらっていたのだが、そのことが二人にバレてしまい奈美と梅と裕子の三人で夫を懲らしめに行った。初めは浮気を疑っていて、自分の将来の事や色々なことを考えて離婚は踏みとどまっていたのだが、調査の結果が出て、浮気をしていたことが分かると離婚するのだった。
SUNNY 強い気持ち・強い愛のネタバレあらすじ:3
心と奈々はなかなか見つからない。中川から連絡があり、意図的にどこかでわからないようにしているのではないかと言われ、さらに追加料金を支払って探してもらう。しばらくして心(ともさかりえ)が見つかったと連絡を受ける。
高校時代の心(田辺桃子)はとてもハツラツとして、いつもカメラ担当で、みんなともとても楽しく過ごしていたのですが、今はその当時の見る影もなく、元夫のDVと自分のアルコール依存症で離婚していた。借金まみれで五歳の子どもを実家に預けたまま、スナックのママをしていた。奈美が会いに行くと店の裏でお酒を飲んでいた。しばらくすると借金取りが来て話の邪魔をするので、奈美が’貸し切り料金’を払うと、すぐに出ていった。奈美は芹香のことを心に話すと芹香に会いに行った。
でも最後の1人の奈々がなかなか見つからない。
高校時代の奈美(広瀬すず)は神戸大震災に遭い、淡路島から転校を余儀なくされた。慣れない土地で父が慣れない仕事を始め、兄は漫画オタクのフリーターで、地球滅亡説を唱えては現実逃避したことばかりぶつぶつ言っていた。祖母も含めた5人が狭い家で暮らしてしていた。経済的にも大変だったので学校ではルーズソックスは普通のソックスを伸ばして履き、カーディガンは祖母のカーディガンを着ていた。見るからに田舎の高校生という感じでセンスが悪く、クラスの中でもダサいと言われ、言葉がなまっているので浮いていた。
そんな家庭ではあったが、学校では水道の蛇口から水を飲むような天然のところが受けたのか、奈美は姉御肌の芹香(山本舞香)に気に入られ、自分たち5人のグループに入れようといい、皆も賛成してくれた。それからは毎日ずっと一緒に過ごすようになり、少しずつこちらの生活にも慣れて、仲間たちとも心を開いていくようになった。そして、少しずつだがコギャルに変身していった。
SUNNY 強い気持ち・強い愛のネタバレあらすじ:4
しかし、奈々(池田エライザ)はずっと奈美を嫌っていた。なかなか受け入れてもらえなかったので、聞いてみると「田舎者だから」と言われる。それだけでは奈美も納得できないので、家に押し掛けると義母がいた。そこで聞かれるのも嫌だった奈々は外に行こうと言って、二人でおでん屋でお酒を飲みながら話をする。
奈々は母が亡くなったにも関わらず、まだ一年も経ってないうちに父が別の女の人を連れてきて、その義母と同居が始まったので自分の居場所がないことを話す。奈美は奈々が綺麗でスタイルバツグンなので羨ましいとか、雑誌のモデルをしているので本当に可愛いと思っていることや、自分が淡路島から転校して家では慣れない仕事を始めた父の事や変わった兄の事などを話す。奈々も本当は奈美のことが可愛いと思っているとも言う。だんだんお互いに可愛いねと言い合ううちに意気投合していき、おでん屋のおじさんにも注意されながらも、どんどんお酒を飲んでは話していった。そして、奈々も奈美を受け入れれるようになる。
ある時は、皆で梅(富田望生)の家に遊びに行った。そこには梅の兄の友達の藤井さん(三浦春馬)が来ていて奈美は一目惚れをする。少し年上のお兄さんは背も高くてすらりとしていて、ジーパンがとても似合っていて、奈美にはスゴく眩しく見えたのだ。帰りにはこっそりDJをしていた藤井さんの後をつけて行き、ダンスホールのあるパブに初めて入る。飲めないビールを飲んで大人のふりもしようとするが見つかってしまう。あわてて暗い部屋に隠れたつもりが芹香たちとは反対のグループに服を脱がされそうになる。藤井さんがどこからか駆けつけてきてくれて棒で反対グループ達をやっつけてくれた。それから危ないので帰りは送ってくれた。
その時、初めて二人で色々な話をする。藤井さんは本当はDJの仕事をこのまま続けたいが現実にはどこか別の所で働かなくてはならないだろうなあ…とか。そして、DJのパンフレットをもらって帰る。その後、楽しみにしていた藤井さんのDJを見に、お洒落をして会いに行くのだが、藤井さんと奈々の二人が埠頭で楽しそうに話をして体を寄せ合っているのを見る。そこで初めて、藤井さんが奈々と付き合っているのを知る。そして失恋してしまう。こうしてこの夏、奈美の初恋は実らないまま終わってしまうのだった。
SUNNY 強い気持ち・強い愛のネタバレあらすじ:5
奈美はその後も時々反対グループに嫌がらせをされていたが、いつも奈々がどこからか来てくれて助けてくれていた。芹香はその反対グループの番長の子とは最初から仲が悪かったのではなかった。小学校の頃は仲良くしていたらしかったのだが、クスリを始めたので一緒に遊ばなくなったと聞いていた。
毎年、学内で行われる文化祭があって優勝すれば30万の賞金がゲットできる。去年はダメだったので今年こそはと、6人は参加する。そして、そのお金で沖縄旅行に行こうと盛り上がっていた。そしてダンスの練習に励んでいた。その頃に「日だまりの中」でという意味合いを込めてグループ名は「サニー」にしようと心(田辺桃子)が提案して結成されました。
いよいよ文化祭当日、もちろん優勝を目指していましたが…。またこの日もいつものように奈美は水道の蛇口から水を飲んでいると、反対グループに捕まり、いじめられていました。奈美も負けまいとして、番長がクスリをするようになったので芹香に見放されるようになったことを言うと、番長は逆上して今まで以上に奈美に付きまとい、嫌がる奈美の口にクスリを入れようとしていました。他の生徒らが見ていて助けを呼びに行っていると、またもや奈々が奈美がやられそうになっているのに気づいて助けにきました。奈々は「二度と近づくな」と言ってごみ焼却場にあった鉄の棒を振り上げました。
怖くなった反対グループの番長達は逃げようとするのだが、その時、芹香がやって来て番長に「まだクスリをしてるんか」と怒った。その時、無理やり奈美に飲まそうとしていた薬の箱が、奈々の顔に直撃して左頬から大量の血が流れ出しました。そして、救急車が来て文化祭は中断になり、奈々は病院に搬送されていきました。その後、奈々は学校を辞め、また、雑誌のモデルのバイトも辞めて、それっきり音信不通になりました。
SUNNY 強い気持ち・強い愛のネタバレあらすじ:6
時々、芹香の所に皆でお見舞いに行って近況を報告するのですが、奈々の消息はずっと分からないままでした。芹香はだんだんと抗がん剤治療もきつくなり、自分の余命もいよいよ近づいていることを感じ、生きているうちにみんなで化粧してもらった遺影を撮っておきたい、と言うので、みんなで化粧してあげたり、病室では楽しく過ごしながら色々な話をしていた。
また、ずっと気になっていた藤井さんのことも探偵の中川さんに調べてもらうと、海の近くのおしゃれな喫茶店でDJをしていました。会いに行って挨拶をしたのに気づいてもらえませんでした。あの頃のまま、やっぱり素敵な藤井さんはそのまま素敵な紳士になり、好きな仕事を続けていました。奈美はパンフレットと手紙を渡してそのまま帰りました。
あっという間に1ヶ月が過ぎようとしている頃、病院から電話があり芹香は願いが叶うことなく奈々に会えないまま亡くなりました。
SUNNY 強い気持ち・強い愛の結末
お葬式の日は、サニーのメンバーの四人と中川さんで執り行われました。遺影は遺言通り、サニーのメンバーが生前に綺麗に化粧してあげた写真にしました。中川さんは生前に芹香から遺言を頼まれていました。遺言状には、「私がいなくなってもサニーは続けて。リーダー役は奈美に、副リーダー役は裕子で引き続きお願いします。梅にはマンションを。心にもマンションをプレゼントするので、そこで五歳の子どもを引き取るように、そして、別の所にあるもうひとつの家屋は美容室にするように」と。「但し、条件がある。あの文化祭の時に踊れなかったダンスを私の前で全員が揃って踊ることです」と。
中川さんが読み終えると、そこには奈々が扉のところに立っていました。皆で後ろを振り向くと奈々は左頬にかかった髪を耳にかきあげました。すると、あの時にできてたはずの大きな傷が綺麗に無くなっていました。
そして、全員が一同に集まったので、あの頃、文化祭で踊れなかったダンスを踊りました。自分達アラフォーがまだ若かった90年代のルーズソックスが流行った頃を、あの、何があっても可笑しくて楽しくて笑わずにはいられなかった、生き生きとして眩しかった青春時代を思い出しながら、音楽に合わせて心をひとつにして、若い頃の6人と、現在の6人の計12人でダンスを踊るのでした。
以上、映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」のあらすじと結末でした。
「SUNNY 強い気持ち・強い愛」感想・レビュー
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90年代に小学生で、今は30代の私にとってドンピシャでした。小室哲哉も好きでしたし、楽しくて笑えて、登場人物それぞれが頑張る姿に泣けました。
広瀬すずちゃんが少しだけ関西弁を喋るところが面白かったです。会場から笑いが漏れているほどでした。
笑えるところも監督の遊び心が感じられてよかったです。
90年代に女子高生だった方には是非とも見てほしい作品です。私も世代ドンピシャだったので、楽しめました。同世代の友達と観ながら、懐かしい~を連発。しょっぱなのララララブソングでなぜか号泣。もう途中からはハンカチが手放せなくなりました。いっぱい笑っていっぱい泣きました。昔からの友達はやっぱり大事だよなと思いました。サブタイトルの強い気持ち・強い愛ってオザケンの歌だったのか!と今更ながら気付きました。