ラプラスの魔女の紹介:2018年日本映画。奇妙な連続死亡事件をきっかけに、大学教授たちがその事件の調査を進め、真相をあぶり出していく。原作は東野圭吾。ラプラスの魔女で累計部数が28万部を超えた大人気作品で、これを実写映画化したものです。嵐の櫻井翔が4年ぶりに主演を務めるサイエンス殺人ミステリー。
監督:三池崇史 出演:櫻井翔(青江修介)、広瀬すず(羽原円華)、福士蒼汰(甘粕謙人)、志田未来(奥西哲子)、佐藤江梨子(水城千佐都)、玉木宏(中岡祐二)、高嶋政伸(武尾徹)、檀れい(羽原美奈)、リリー・フランキー(羽原全太朗)、豊川悦司(甘粕才生)、ほか
映画「ラプラスの魔女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラプラスの魔女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラプラスの魔女の予告編 動画
映画「ラプラスの魔女」解説
この解説記事には映画「ラプラスの魔女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラプラスの魔女のネタバレあらすじ:起
小さな子供と母親が竜巻に巻き込まれ、屋内に避難し、子供は屋内の物置に母親に守られて入ったが、母親は、余りの竜巻の激しさに吹き飛ばされて死亡してしまう。
それから20年後、大学教授である青江修介(櫻井翔)の元に、最近赤岡温泉で起きた、水城と言う男性が死亡した事件の捜査に協力してほしいと、刑事の中岡祐二(玉木宏)から連絡が入る。水城は赤岡温泉に旅行中、妻 千佐都(佐藤江梨子)と帰り道、自分だけ忘れ物を取りに行った際、その後、雪道で死体となって発見されたという。
死因は遺体を司法解剖すると致死量の硫化水素を吸い込んだものによるものだということが分かる。しかし、青江は屋外で致死量の硫化水素を発生させることは人間には不可能であり、事件でも自殺でも他殺でもないと判断し、中岡の頼みを一度断る。
危険区域で、事件現場で状況確認をしていた青江と中岡のもとに、すみません、私も入っていいですかとひとりの少女が訪ねてくる。その少女は羽原円華(広瀬すず)であった。危険区域であったことから、青江は関係者以外立ち入り禁止であると円華が侵入することを拒否し、立ち去らせる。
中岡と青江が水城の事件について話して断るまで、カフェで話しをしている間、円華も遠くの席に座り、2人を見守っていた。そこで、話をしながら青江は円華の不思議な光景を目にする。カフェに小さな男の子が円華の向かい側に座り、オレンジジュースを手をすべらせて、こぼしそうになり、スマホが濡れる寸前のところで、円華がそれをまるで最初から察知していたかのように、あらかじめスマホの位置を、濡れないように移動させていたのである。
青江は驚き、この光景に目を奪う。円華に声をかけ、君は何故事件現場に興味があるの?と聞くと、友達を救いたいからと、一枚の写真に写った少年の写真を見せられる。
1か月後、また事件が起こる。苔手温泉で、またしても男性が森林の屋外で硫化水素中毒で亡くなったのである。男性は那須野という名前だった。中岡は青江に、こんなに短期間に温泉付近で硫化水素による死亡という共通点で、2件も事件が起きるのは偶然だとは思えず、再び青江に調査を依頼し、共に探っていくことになる。
被害者の水城と那須野の共通点を探すと、2人は役者の卵で芸能活動を行っていて、ドラマなどに出演していた。水城と那須野が知り合いで、妻の千佐都と三角関係にあるのではないかと中岡は推測する。しかし、共演などはしておらず、2人に結びつくものが見つからない。分かっているのは、苔温泉付近で若い女性が車の乗り下りをしていることが見かけられていること、水城に至っては硫化水素を運び入れる人間がいなければ、死に至らないことだった。
しかし、2人の出演作が、どちらも映画の脚本家が甘粕才生(豊川悦司)という男性であることが分かる。甘粕才生のブログを見てみると、妻と娘を硫化水素事故で亡くしていることが記載されており、息子の甘粕謙人(福士蒼汰)だけが助かったが、事故当時の手術の影響で、記憶をなくしてしまったという。才生は息子・謙人が、自分を父親であると認識できない悲しみから、謙人とは別れて、別々の人生を歩んで行こうと決めたという。
中岡は甘粕の書いた脚本が成功と失敗を繰り返していたが資産家でもあり、水城が甘粕脚本の失敗作に出演し、借金をしていたことから、恨んで、甘粕一家を硫化水素で殺人を犯したのではないか、そしてその後、妻と娘を殺された復讐のため、甘粕が、水城と那須野をまとめて殺したのではないかという。
しかし証拠もなく、動機も憶測なことから、事実が分からず、青江は頭を悩ます。この日は一旦、中岡に帰宅させる。青江がインターネットで甘粕一家の殺人事件で助かった息子謙人の写真を検索してみると、そこには先日、円華が助けたい友達と言っていた写真が表示され、同一人物であることが発覚する。青江は驚き、円華に会いに行くことを決意する。
ラプラスの魔女のネタバレあらすじ:承
円華に会いに行くと、青江は「事件現場を見せて欲しい、連れて行ってほしい」と再び頼まれる。事件現場に着くと、円華は突然、「夏は上昇気流で硫化水素は暑くなって蒸発してしまう、反対に冬は冷たい空気の重さで硫化水素が下に行ってしまい事件は起こらない」と少女とは思えない科学的根拠を語る。その場で土を操り、土埃であたり一帯を充満させる技を見せつける。
青江は、君は何物?君は誰?と円華に問いかける。すると、円華は私は「ラプラスの魔女」だ言う。「ラプラス」とは古来の化学博士で、空間、自然、時間を操り、未来を予知し、現象を変えられる特殊な能力を持った人物のことでであった。
次に青江は、調査で助かった謙人の元を訪れる。すると、謙人を管理しているという、全太朗(リリー・フランキー)と出会う。全太朗は化学機関で働く研究者だった。謙人が硫化水素事件の後、手術を行った後、不思議な能力を持つことになったことから、謙人に興味を持ち、引き取ったのだという。
全太朗は青江に動画を見せる。それはサイコロを投げて、升目を投げる前に察知して言い当てることができる謙人の不思議な能力であった。サイコロを投げ、回転し、空気が風となり、摩擦熱で落ちる自然現象を見抜くことができる。すなわち未来を予知することができる偉大なる能力の持ち主であった。
青江はこの謙人の能力と、オレンジジュースをこぼした時に回避して、土を操って土埃を起こさせることができた円華の能力に、2人が似ている能力の持ち主であると気付いた。全太朗に円華のことを話すと、円華はなんと全太朗の娘だと言う。
円華は謙人を見て、自らも被験者になり、その能力を持ちたいと父親の全太朗に手術をしてもらうように願い出たのだという。実は円華は、小さな頃、母親と竜巻に巻き込まれ、守ってくれた母親を亡くしてしまった過去があり、この幼い頃の悲しい思い出の罪悪感から、自然現象を操り、未来を予知し、コントロールする能力を持ちたいという本人の強い願望から、被験者となり今があるのだという。
青江は、この話を聞き、硫化水素を屋外で発生させて、水城と那須野を死なせることができるのは、謙人と円華しかいないと悟る。苔温泉で若い女性が乗り下りしたその女性こそ、円華なのではないかと推測する。しかし、全太朗は青江に「謙人と円華の能力を公にすることはできない、化学とは未来を変え、未来に役立つものにするのが目標であることから、事件解明には協力できない」と青江を追い返す。
ラプラスの魔女のネタバレあらすじ:転
青江は再び、円華のもとを訪ね、父親の全太朗から、ラプラスの魔女になった経緯を聞いたと報告する。すると円華は、謙人と友達になり、手術後に8年間、謙人から能力を最大限に使う方法を練習して教えてもらった過去を話し出す。
謙人によると、「マド・エワの法則」といい、ラプラスになって能力を持っても、予知できない未来があるという。それは地震や竜巻など、自然科学で突然起きる出来事は読み取ることができないことだと言うのだ。謙人は竜巻に巻き込まれて母親を亡くした円華の心を気遣い、マド・エワの法則を打ち破り、自分の能力を向上させていくことが未来の目標だと語り、夢と希望を持って円華と生きていた。ラプラスの魔術師になるには覚悟がいると豪語していた。しかし、円華は自分の事ばかりで、謙人の本当の苦しみを知らなかったと語る。水城と、那須野の事件が起きるまで、彼が抱えていた心の孤独を知らないままだったという。
青江は円華に「ラプラスの魔女として能力なんて使わない方がいいのではないか」と言う。父親の実験台にされているだけで悲劇しか生まないのではないかと考えていた。
その頃、中岡から青江の携帯に連絡が入り、甘粕才生の元へ行ったが、病院で衰弱している状態で、精神を病み、入院していることが分かる。才生は入院中、画用紙に絵コンテで絵を書き、次に脚本を手掛ける映画のクライマックスシーンの「廃墟の奥」という絵を描いているというが、もうこの映画はすでに撮り終わっているというのだ。
中岡と青江は「廃墟の奥」に才生がこだわる意味が分からなかった。そして、謙人がなぜ能力があるのに、記憶をなくしているフリをしているのかが分からないままでいた。そして青江は謙人が、誰かを守るために記憶の無いふりをしていることに気付く。それは父親の才生を守るためではないかと予測する。
そして中岡から再び携帯に連絡が入り、甘粕才生は水城により硫化水事件を起こされ、愛する妻と娘を殺されたという事実は全くの嘘で、娘は援助交際をして警察の世話になっている問題のある少女であり、ブログに書かれていたことは真っ赤に違っていたのである。実は、才生は問題児の娘とその娘を生んだ妻を憎み、自ら硫化水素事件を起こしていたのである。そして、水城と那須野の事件を付け加え、もっと大きな事件にし、それを映画の脚本にし、引き裂かれた家族の絆だけではなく、悲惨な連続殺人が付け加えられ、大きな映画の大作ができるともくろんでいたのである。
そんな才生のもくろみを知り、息子である謙人は記憶のないふりをして、映画の脚本の打ち合わせをする父を病床で知り、ずっと孤独を抱えて生きていたのである。謙人は父親の才生が自分の仕事の映画にかけて母親と妹の人生を狂わせたことが許せず、能力を使い、父親を抹殺しようとしていた。円華はそれに気づき、謙人を友達として助けたいと思っていたのである。謙人と才生が再び会う場所は、才生が病院で描いていた、廃墟の奥であった。
ラプラスの魔女の結末
全てを聞かされた青江は、円華と共に車で「廃墟の奥」に向かう。円華は謙人が廃墟の奥で、ラプラスの能力を使い、謙人が「たとえ憎い父でも殺人者になってほしくない」と思っていた。謙人はシンドロームという、気流を上げて風を竜巻にする現象を起こし、廃墟の奥に居る父親と自分ごと吹き飛ばし、破壊させ、死んでしまおうとしていた。
才生は、人間の存在とは、認識されて初めて意味があると言い、硫化水素の持ち運びを手伝ってくれた、千佐都を殴り、殺そうとしていた。千佐都さえいなくなれば完全犯罪となり、千佐都の存在は最初からいなかったことにしてしまえば存在とならない、また、謙人も父親の存在を忘れたことからそれと同じだという。
青江は円華に「このままでは君は後悔する。君の能力で何とかするんだ」と励ます。すると、円華は廃墟の奥に穴を開け、大気圧を出し、建物を守ることを頭に想像する。次の瞬間、ラプラスの能力を使い、地圧をコントロールし、乗ってきた車を持ち上げて、車で建物に穴を開ける。すごい風と地圧により建物が揺れ動くが、謙人も千佐都も無事に救出することができた。才生だけは、建物の一部の破片の下敷きになり犠牲となる。
謙人はこの能力を持ったからといって特別ではなく、人間とは原子で分体化した時に存在が認識されると父の才生に言う。空にはラプラスの虹が見えた。人によるとこの虹は亡くなった人と交信した時に出るものだという。円華は母親のために能力を持ち、役だったことを誇りに思う。
その後、水城、那須野の硫化水素事件は、警察により事故と判断され処理される。事件後、才生は病死し、謙人は行方不明となる。青江は、円華に「ラプラスの魔女なんかにならない方がいいと言ってごめん、事実、君のおかげで謙人くんは助かった。もしかして謙人くんが今どこにいるか未来を予知出来ているのではないか」と言う。円華は「知りたい?」と青江に聞く。青江は「いや知りたくない」と言う。円華は「知らない方がいいと思う」と答え、微笑むのだった。
以上、ラプラスの魔女のあらすじと結末でした。
「ラプラスの魔女」感想・レビュー
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櫻井さんは、アイドルなのに役者さんとしても他のベテラン役者に引けを取らず、すごいなあと思いました。脇を固めた役者さんのおかげでもあるかもしれないけど、物語に入り込めました。
連続殺人を追う大学教授(櫻井君)と刑事(玉木宏さん)。そこに現れる謎の少女(広瀬すずさん)。少女を追う謎の集団。ありえない殺害方法の謎、そして犯人は・・・というミステリーでした。謎も、犯人も、「あっそう」という感じでした。ストーリーも単純で、2時間ドラマの延長戦?という感じでした。しかし、役者さんが見せました。素人目にも、この人たちすごいなと感じました。みんな迫力ある演技でした。やっぱり、プロの役者さん、すごいな。