キングダムの紹介:2019年日本映画。紀元前の中国を舞台に、天下の大将軍を夢見る少年と若き王が、困難に立ち向かいながら中華統一を目指す壮大な物語。原泰久原作の漫画は単行本54巻(映画公開日現在)にもおよぶ超人気シリーズで「実写化は不可能」といわれていた。今回原作者が脚本に全面協力、アクションを得意とする佐藤信介監督がメガホンをとり、ファンを納得させる映画が完成した。驚くべきは俳優陣の再現度の高さだ。主演の山﨑賢人はもちろん、肉体改造した大沢たかおや二役に挑んだ吉沢亮など、見ないと損するレベルの作品に仕上がっている。
監督:佐藤信介 キャスト: 山﨑賢人(信)、吉沢亮(漂/嬴政:二役)、長澤まさみ(楊端和)、橋本環奈(河了貂=てん)、本郷奏多(成蟜)、石橋蓮司(竭氏)、加藤雅也(肆氏)、宇梶剛士(魏興)、高島政宏(昌文君)、満島真之介(壁)、要潤(騰)、大沢たかお(王騎)、ほか
映画「キングダム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キングダム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
キングダムの予告編 動画
映画「キングダム」解説
この解説記事には映画「キングダム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キングダムのネタバレあらすじ:起
時は春秋戦国時代、中華西方の国「秦-しん-」。奴隷の少年、信(山﨑賢人)は幼い日に見た大将軍に憧れ、親友の漂(吉沢亮)とともにいつか武功を上げて大将軍になるという夢をもっています。二人は密かに剣の練習を重ね、自己流ながらかなりの腕前になっていました。
そんなある日、二人を見かけた大臣の昌文君(高島政宏)が漂を身請けしにやってきました。自分だけ王宮に行くことを躊躇した漂は即答しませんでした。でもその夜、信に「俺は行くぞ」と宣言し、「行き着く場所は同じだ」といつか夢を実現させる約束をするのでした。
漂がいなくなってしばらくたったある晩、不審な物音で信が目を覚ますとそこには血だらけの漂の姿が。漂は信に「ここへ行け」と地図を託し、「お前が羽ばたけば俺もそこにいる」と言って絶命しました。信は、漂の携えていた剣を手に取ると夜の闇の中へ走り出しました。
その後、漂を追ってやってきた役人たちによって村人は皆殺しにされ、家々は焼き払われてしまいました。
信が地図の村に着くと、そこには漂にそっくりな少年がいました。秦の王、嬴政(吉沢亮)です。弟、成蟜(本郷奏多)の反乱により命を狙われた王の替玉として漂が殺されたことを知ると、信は嬴政に敵意をむき出しにします。しかしそこに成蟜の刺客朱凶が現れ、嬴政は絶体絶命の危機に。信は漂の仇である朱凶を倒し、不思議なフクロウの被り物の子供、河了貂[てん](橋本環奈)の手引きで嬴政とともに反乱軍から逃れるのでした。
キングダムのネタバレあらすじ:承
漂は自分の意志で王の身代わりになったと聞かされ、信は嬴政についていくことにしました。身寄りのないてんもまた二人に同行します。途中で不気味な刺客ムタを倒すも、信は毒矢を受けて倒れてしまいます。そんな信をおぶって昌文君との合流地点まで運んできたのは、他ならぬ嬴政でした。
その頃王宮では成蟜が、嬴政の首をイライラしながら待っていました。そんなとき突然、王騎将軍(大沢たかお)が「昌文君を討ち取った」と首を持ってやってきました。顔は判別不能であやしいものでしたが、成蟜の側近竭氏は王騎をねぎらい、請われるままに昌文君の領土を王騎に与えるのでした。
嬴政たちは400年前の王家の楼閣で、昌文君たちと合流しました。信はそこで、嬴政の母は平民の踊り子で、王族出身の母を持つ成蟜から疎まれていたこと、父の死後、嬴政は13歳で即位するも権力を奪い合う大臣たちの争いの中でどうすることもできなかったことを知りました。そして昌文君の部下である壁(満島真之介)は、王宮から脱出して逃げる途中、王騎の軍に追いつかれ皆がもうダメだとあきらめかけたとき、漂がまるで本物の王のように皆を鼓舞して勇気を与えたと、英雄を讃えるように語ったのです。さらに、嬴政には昌文君たちが必要だからと自分がおとりになって敵を引きつけ走り去ったと聞き、信は漂への思いを募らせるのでした。
キングダムのネタバレあらすじ:転
数的に圧倒的に不利な嬴政たちは、王家とかつて友好関係にあった山の民に協力をあおぐことにしました。とはいえ、山の民を迫害し虐殺した過去がありスンナリいくとは思えません。でも今の嬴政たちにはほかに頼れるものはなく、皆で山の民に会いに行くことにしました。
奥深い山道を進むと、嬴政たちはいつの間にか気味の悪い仮面をつけた山の民たちに囲まれ捕らえられてしまいました。
嬴政は山の王の前で過去のあやまちを謝罪しますが、長老たちは口をそろえて嬴政の首をはねろと言います。そんなとき信が、「こいつ困ってるんだ。力貸してやれよ」と声を張り上げました。「死んだやつらのみた夢を、現実のものに変えてやれよ」という信の言葉に心動かされた山の王 楊端和(長澤まさみ)は仮面をとり、協力を約束してくれました。実は楊端和は若く美しい女性であり、強いカリスマ性で周辺の山の民たちを率いていたのです。
楊端和と盟を結んだ嬴政たちは、王座奪還のため咸陽に向かいます。仮面をつけて山の民に化けた嬴政たちは、成蟜に和睦を申し入れるフリをした楊端和とともに王宮に入り込みました。仮面を取った嬴政や楊端和が正面で敵と戦っている間、信や壁たちは抜け道を使って成蟜のいる内部を目指します。化物のように体の大きな処刑人、ランカイをなんとか倒した信たちは成蟜や竭氏たちのいる玉座の間へとたどり着きました。
キングダムの結末
そこで信の前に立ちはだかったのは、元将軍だがその残忍さゆえ用心棒に成り下がった左慈でした。迫力ある左慈との実力差は大きく、信は倒れ込んでしまいます。しかし、漂との約束をあきらめるわけにいかない信は気力を振りしぼって左慈を討ち果たしました。左慈を失った成蟜はパニックになり部屋を出ていきました。
一方その頃、嬴政たちは多勢に無勢、苦戦を強いられていましたが、そこに突然王騎の軍が現れました。味方なのか敵なのか得体の知れない王騎は、嬴政に目指すべき王のあり方をたずねます。「中華統一の王だ」迷いなく答える嬴政に満足したように笑みを浮かべる王騎。その王騎に剣先を向けた反乱軍の魏興(宇梶剛士)たちを、王騎は大きな宝刀の一振りでなぎ払うのでした。
竭氏を倒して王宮の中から出てきた信たちも合流し、「待たせたな」「待ちわびたぞ」信と嬴政は言葉を交わします。
王騎は去り、今度は逃げ出してきた成蟜がフラフラと姿を現しました。「こいつを殺せ」と嬴政を指差す成蟜に従う者は誰もいません。嬴政は、殺す値打ちもないとばかり成蟜を殴り倒しました。そして反乱軍に対して命を保証すると嬴政が宣言すると、「俺たちの勝ちだー」と信が叫びます。漂との夢を叶えるため、信は嬴政についていくと決意を新たにしたのでした。
以上、映画「キングダム」のあらすじと結末でした。
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