シン・仮面ライダーの紹介:2023年日本映画。日本を代表する特撮ドラマシリーズ『仮面ライダー』生誕50周年記念作品です。監督・脚本に『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズなどの庵野秀明、主演に池松壮亮を迎え、1971年~1973年に放映されたテレビシリーズ第1作『仮面ライダー』をベースにした新たなライダーの物語が描かれます。
監督・脚本:庵野秀明 原作:石ノ森章太郎 出演者:池松壮亮(本郷猛/仮面ライダー/第1バッタオーグ)、浜辺美波(緑川ルリ子)、柄本佑(一文字隼人/仮面ライダー第2号/第2バッタオーグ)、森山未來(緑川イチロー/仮面ライダー第0号/チョウオーグ)、西野七瀬(ヒロミ/ハチオーグ)、塚本晋也(緑川弘)、松尾スズキ(SHOCKER創設者)、手塚とおる(コウモリオーグ)、本郷奏多(カマキリ・カメレオン(K.K)オーグ)、上杉柊平(ハチオーグの手下の背広の男)、市川実日子(緑川イチローの母)、大森南朋(クモオーグの声)、松坂桃李(ケイの声)、長澤まさみ(サソリオーグ)、仲村トオル(本郷猛の父)、安田顕(犯人)、斎藤工(滝和也)、竹野内豊(立花藤兵衛)ほか
映画「シン・仮面ライダー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シン・仮面ライダー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「シン・仮面ライダー」解説
この解説記事には映画「シン・仮面ライダー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シン・仮面ライダーのネタバレあらすじ:起
心優しき青年・本郷猛は「持続可能な幸福を目指す愛の秘密結社」と謳う組織「SHOCKER(Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling)」の手によって改造(オーグメンテーション)され、バッタの跳躍力と桁外れた身体能力を与えられた怪人「バッタオーグ」にされた男です。
ある時、本郷はSHOCKERの一員だった緑川ルリ子をバイク「サイクロン号」に乗せて組織を脱走、その後を怪人クモオーグと戦闘員たちが追っていました。本郷はバッタオーグに変身して戦闘員たちを倒し、ルリ子と共に山中のセーフハウスへと落ち延びました。
本郷が自らに備わった驚異的な力に恐れおののいていると、そこにルリ子の父・緑川弘博士が現れ、本郷は“プラーナ”によって超人的な力を与えられた昆虫合成型オーグメンテーションプロジェクトの最高傑作であることを告げました。弘は本郷にプラーナの未来を託し、その力を人のために使ってほしいと頼むと、プラーナを個人的なエゴのために悪用するSHOCKERを倒す計画への協力を求めました。本郷はルリ子から赤いマフラーを託されました。
その直後、弘は現れたクモオーグに殺害され、ルリ子は連れ去られてしまいました。本郷はサイクロン号を駆りながらバッタオーグに変身し、「仮面ライダー」と名乗ってクモオーグを倒しました。
シン・仮面ライダーのネタバレあらすじ:承
予備のセーフハウスに身を寄せた本郷とルリ子の前に政府の男・立花藤兵衛と情報機関の男・滝和也が現れました。立花と滝は警護と情報提供をする代わりにSHOCKERの排除に協力してほしいと本郷とルリ子に要請し、本郷とルリ子は立花たちと契約することにしました―――。
―――SHOCKERを創設したのは日本の大富豪で、世界最高の人工知能“アイ”の開発に関与した人物です。アイは外世界観測用自律型人工知能ジェイ(後に“ケイ”にアップグレード)を開発、SHOCKER創設者はアイとケイに人類を幸福に導く答えを見出すよう指示して自ら命を絶ち、アイは最も深く絶望を抱えた人間を救済することこそが人類の幸福につながると判断し、目的を果たすため非合法組織としてのSHOCKERを結成したのです。かつて警察官だった父を目の前で犯罪者に殺された本郷はより強い力を求め、SHOCKERの実験体に選ばれたのです―――。
―――しかし、本郷はあまりの強大な力を手にしたことに戸惑い、戦うことを恐れるようになっていました。そんな本郷の心中を察したルリ子は単身でSHOCKERの生化学主幹研究者コウモリオーグの元に向かいました。コウモリオーグは自ら最高傑作と称する殺人ビールスを完成させていましたが、用意周到なルリ子はあらかじめビールスを無力化する対策を行っていました。本郷は意を決してルリ子の後を追い、ライダーに変身してコウモリオーグを倒しました。
その頃、SHOCKERの一員であり、ルリ子の腹違いの兄である緑川イチローはいずれルリ子が本郷と共に組織に戻ってくることを想定し、本郷同様にバッタオーグに改造された一文字隼人を用意していました。
一方、立花と滝は本郷たちの力を借りることなく、特殊部隊を投じて猛毒性化学兵器を有するサソリオーグを倒すことに成功しました。そして立花と滝は次なるターゲットとして、人類を洗脳して効率的に奴隷化することを目論むハチオーグの排除を本郷とルリ子に依頼しました。ハチオーグはかつて“ヒロミ”と名乗っており、ルリ子にとっては一番友達に近い存在でした。
シン・仮面ライダーのネタバレあらすじ:転
本郷とルリ子はハチオーグのアジトに乗り込みました。ハチオーグは本郷とルリ子に組織に戻るよう要求しましたが、本郷たちは断りました。ハチオーグは自ら開発した洗脳システムで街の人々を洗脳し、本郷たちを襲わせました。無実の人々を殺したくない本郷たちは一時退却を余儀なくされました。
その夜、ルリ子はイチローとの再会に備えてあるプログラムの準備をしていました。ルリ子の正体は人間ではなく、SHOCKERが開発した人工子宮によって生み出された“生体電算機”だったのです。ルリ子は本郷に施されたオーグメンテーションの仕組みを説明しました。本郷に装着された“プラーナシステム”は大気中に圧縮された他の生命のプラーナを自分の生命エネルギーに転換するもので、すなわち本郷は他の命を吸いながら生きていることを・・・。
本郷はルリ子を単身ハチオーグのアジトへ向かわせ、自らはライダーに変身すると上空から降下してハチオーグの洗脳システムを破壊しました。ハチオーグは手下の背広の男のプラーナを吸収してパワーアップし、ライダーはそのままハチオーグとの死闘に挑みましたが、サソリオーグの毒を用いた特殊な銃弾を持った滝が現れ、ハチオーグに発砲しました。ハチオーグはルリ子に倒してほしかったと告げて息絶え、唯一の友達に近い存在を失ったルリ子は深い哀しみにくれました。
その頃、サナギ状態だったイチローは羽化してチョウオーグに進化していました。政府の実働班はイチローのアジトを強襲しましたが、チョウオーグの前に全滅させられました。立花は実働班の隊員たちが誰一人として損傷もなく、みな笑みを浮かべながら息絶えていることに疑問を抱きました。
ルリ子はこれこそがイチローの計画、全ての人々のプラーナを強奪し魂を別の場所“ハビダット世界”に送り込むことだと説明しました。最愛の母を通り魔に殺されたイチローは深く絶望した末にこの計画を思いついたのです。
ルリ子が作っていたプログラムはイチローの計画を阻止するためのものであり、完成させるためにはイチローのデータが必要でした。そしてイチローもまた自らの計画を完成させるためにルリ子のデータを欲していました。
ルリ子はイチローのアジトに向かい、互いにデータを読み合いましたが、ルリ子はイチローの圧倒的な力の前に意識を失いました。本郷はイチローと対峙しますが、イチローは本郷(第1バッタオーグ)の強化型である第2バッタオーグ・一文字に後を任せました。第2バッタオーグはライダーと死闘の末に左足をへし折り、行動不能に追い込みました。
ルリ子はライダーの危機を救うため一文字の洗脳を解くことを試みました。ルリ子の説得を受け入れた一文字は無事洗脳を解かれ、ルリ子から赤いマフラーを託され「仮面ライダー第2号」として生まれ変わりました。ところが、SHOCKER初となる3種合成型オーグメントであるカマキリ・カメレオン(K.K)オーグは尊敬していたクモオーグを殺した本郷とルリ子に対して強い復讐心を抱いており、本郷の目の前でルリ子を襲撃しました。K.K.オーグは第2号によって倒されましたが、致命傷を負ったルリ子は本郷の目の前で命を落としました。一文字はその場を去っていきました。
シン・仮面ライダーの結末
本郷はライダーのマスクに託されたルリ子の遺言を聞き、涙を流しました。ルリ子は生前にイチローの計画を阻止するためのプログラムを完成させており、そのデータを本郷のマスクにインストールしていました。
驚異的な回復力で左足の完治した本郷は再びイチローのアジトへ向かいましたが、イチローは次なる刺客として11体の大量発生型相変異バッタオーグを差し向けました。凶暴性を増し、武装したバイクで襲い掛かってきたバッタオーグの前に窮地に陥ったライダーでしたが、第2号となった一文字が駆けつけ、二人のダブルライダーは共闘してバッタオーグを全滅させました。
ライダーと第2号はイチローのアジトに辿り着きましたが、イチローは完全体である「仮面ライダー第0号」に進化を遂げていました。ダブルライダーはサイクロン号を犠牲にして第0号へのプラーナの供給源である玉座を破壊、第0号と壮絶な死闘を繰り広げましたが、その圧倒的な強さの前に苦戦を強いられました。それでも諦めないダブルライダーは第0号が大量のプラーナを消費して弱り始めた頃合いを見計らい、第2号が頭突きで第0号のマスクを破壊するとライダーは自らのマスクをイチローに被せました。
ライダーのマスクにはルリ子の魂が宿っており、イチローはハビダット世界でルリ子と邂逅すると「人間をもう一度信じてみることにしよう」と自らの計画を放棄することにしました。イチローはそのまま絶命し、自らのプラーナを使い果たした本郷も命を落としました。
本郷はあらかじめ立花と滝に自分のマスクを回収してくれるよう頼んでいました。ひとり残された一文字は修復された本郷のマスクと魂を引き継ぎ、立花や滝と手を組んでただひとりの「仮面ライダー」としてSHOCKERの残党と戦い続ける決意を固めました。
以上、映画「シン・仮面ライダー」のあらすじと結末でした。
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