映画「キングダム 大将軍の帰還」解説
この解説記事には映画「キングダム 大将軍の帰還」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キングダム 大将軍の帰還のネタバレあらすじ：起
物語は前作『キングダム 運命の炎』における、秦国の信率いる飛信隊の野営地を龐煖と名乗る男が突如襲撃する場面から始まります。龐煖はたった一人で次々と飛信隊の隊員を殺戮していき、信と副将・羌瘣は戦いを挑むも圧倒されてしまいました。
信は重傷を負い、飛信隊の隊員たちは身を挺して信を守りました。そこに秦国六大将軍・王騎の軍の軍長のひとり干央率いる騎馬隊が援軍として駆けつけました。龐煖こそが敵国・趙軍の総大将にして“三大天”と呼ばれる将のひとりでした。やがて趙軍の副将・万極が援軍を率いて駆けつけ、両軍入り乱れる大乱戦となりました。
信の親友でもある飛信隊隊員の尾平と尾到の兄弟は気を失った信を連れて戦場から脱出、飛信隊の伍長・沛浪は生き残りを率いて万極を引きつけつつ退却を開始しました。
尾平と尾到は二人とも重傷を負っていましたが、尾平は自ら囮となって趙軍を引きつけ、尾到は信と共に移動しましたが、途中で尾到は力尽き、意識を戻した信に自分たちの思いを乗せて天下の大将軍になる夢を叶えるよう言い残して息を引き取りました。
キングダム 大将軍の帰還のネタバレあらすじ：承
翌朝。信は飛信隊の生き残りと合流しました。尾平は信を守り抜いた尾到を讃えました。一夜にして半数以下の36名となった飛信隊は王騎と合流、王騎は信たちは試練を乗り越えてより強くなると激励しました。
秦軍は山間での戦いとなるため、本陣のある山の頂が見える範囲までの追撃しか認めないことにしましたが、趙軍が撤退したのを見た秦軍の蒙武は戦功を得たいがために王騎の命に背いて出撃しました。しかし、蒙武は趙軍の罠にはまって包囲されてしまいました。王騎は飛信隊と共に蒙武を救出に向かいました。
その頃、秦の王都・咸陽では王・嬴政と側近・昌文君のもとに山の民の王・楊端和が訪れていました。三者は趙軍が情報統制によって北に強力な軍隊を配備していることを隠蔽していること、そして趙軍には天才的な頭脳を持つ軍師・李牧がいることを確認しました。
王騎は飛信隊に蒙武の支援を、副官・騰に趙軍本陣への突撃を指示しました。両軍の激しい攻防のさなか、王騎は龐煖との一騎打ちに臨みました。王騎と龐煖は過去に因縁がありました―――。
キングダム 大将軍の帰還のネタバレあらすじ：転
―――21年前。秦国六大将軍の中に唯一の女性である摎がいました。摎は王騎の召使の娘でありながら類まれなる戦いの才能がありました。ある時、王騎は昌文君に摎の出生の秘密を明かしました。摎は実は嬴政の三代前の王だった昭王の実の娘であり、母の身分が低かったため王騎の召使の子として育てていたのです。摎と対面した昭王は自分の娘であることに気づきましたが、摎は決して素性を明かすことはしませんでした。
摎は幼少期から夢がありました。それは城を100個落としたら王騎の妻になることでした。王騎もそれを了承し、摎はわずか数年で六大将軍の仲間入りを果たす戦功を打ち立てました。しかし9年前、あとひとつの城である馬陽を陥落させた摎は龐煖の襲撃を受けて命を落としました。復讐に燃える王騎は龐煖の顔を斬り、龐煖は死んだと思われていましたが辛うじて生き延びていました―――。
―――9年後の現在。王騎と龐煖の一騎打ちはなおも続いていました。その時、李牧率いる趙軍が極秘裏に温存していた大軍が出現しました。それでも騰は趙軍本陣を率いる副将・趙荘を討ち取り、李牧の動きが想定よりも遥かに速いことに気づいた王騎は部下たちに撤退を命じ、龐煖と決着をつけようとしました。
その時、李牧の部下で弓の名手である魏加が王騎を射貫きました。龐煖は勝負に水を差されたことに不満を抱きながらも、王騎にとどめを刺すため矛を突き刺しました。騰は王騎を助けるべく割って入り、信は瀕死の王騎と共に馬に乗って戦地から脱出しました。李牧は今回の戦いの目的は秦への侵略でも王騎軍の壊滅でもなく、ただ王騎ひとりを討つことためだけだと強調し、目的を果たした今は無駄な犠牲を避けるためにも秦軍を追撃しないことにしました。
キングダム 大将軍の帰還の結末
秦軍の残存兵力は森の中に撤退しました。自らの死期を悟った王騎は部下全員に殉死を禁じ、騰に軍を託しました。自分が敗戦の原因を作ったことを悔む蒙武に対し、王騎は秦軍の顔になるべく更なる成長を期待すると告げました。そして王騎は信に自らの矛を授け、その素質を讃えると共にこれからは仲間たちと共に戦場を駆け回って乗り越え学ぶよう助言し、馬に乗ったまま息を引き取りました。
王騎の死の知らせは咸陽にも伝えられました。嬴政は昌文君に、王騎は出陣する前に自分に昭王の遺言を伝えていたことを明かしました。それは「戦いに慈悲は無用なれど、奪い取った地にある民は奴隷にあらず。虐げることなく、自国の民として同様に愛を注ぐこと」という教えでした。嬴政は王騎の遺志を受け止め、必ず中華統一を成し遂げることを誓いました。
その頃、趙国に戻ることにした李牧は龐煖を自軍に迎え入れようとしましたが、龐煖は最大のライバルだった王騎が死んだ今戦場に興味はないとして断り、去っていきました。李牧は新たな乱世の時代がこれから訪れることを予感していました。
秦軍は王騎の亡骸を携えて咸陽に舞い戻ってきました。嬴政は「大将軍死すとも、その魂は我々に宿る」と王騎と秦軍を讃え、正門を開けて大将軍の帰還を迎えるよう指示しました。信は秦の全兵士に自分たちは馬陽を守り通したので下は向かず堂々と前を向いて門をくぐるよう激励しました。
以上、映画「キングダム 大将軍の帰還」のあらすじと結末でした。
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